【糖質制限の真実!?】

こんにちは、Dr.Kです。

最近話題の糖質制限ですが、
「推進派」「反対派」
出してくる情報が
あまりに極端ですよね。

「植物食推進派」「動物食推進派」
も同様にお互いのディスりあいが激しいです。

どこぞの漫画の様に
「真実はいつもひとつ!」
と言えたら、
どれかの流派が当たってて、
他の流派は間違ってる(=発病率や死亡率が有意に高くなる
と言う結果が見えてきて
自然淘汰されるはずです。

しかし、生物の身体はそんなに単純ではなく、
これまでの自然環境の変化に耐え抜いた
と言う歴史の積み重ねのおかげで、
ある程度環境の振れ幅に適応出来る様に
なっていると思います。

この記事も糖質制限反対派の方が拡散され、
「とうとう真実が暴かれた!」と言う論調が
多い様ですが、工藤医師のコメントにある

「主食を絶ったりするとカロリーが減りすぎて
エネルギー不足に陥ります」

と言うコメントを見る限り、
「糖質制限=糖質だけ減らし他は変えない」
と言う根本的な誤解をしていることが予想されます。

・糖質制限が身体に合わない
・糖質制限はエネルギー不足になる
と言う様な方々は、
炭水化物と甘いものだけ減らし、
その他は変えないために
単なる「栄養失調」を来しています。

それをもって「糖質制限」のせいにするのなら、
極端な話、レストランの
ステーキメニューから肉だけ除いて
付け合せの野菜のみ食べると体調が悪いので
「植物食はエネルギー不足」「死亡率が…」
と語っているのと大差ありません。

植物は細胞壁がありそれを消化する酵素を
人間は有さない為、消化吸収率が低く、
必要な栄養素を十分摂るためには、
相当量を食べる必要があるのです。
もちろん腸内環境が植物食へ適応すれば、
植物を代謝出来る細菌が腸内で増え、
その代謝産物を利用できる様にはなるのですが、
牛などの反芻動物と同等のエネルギー効率には
人体の構造上なりえません。

本当に糖質制限を論じるのであれば、
良質な蛋白質と脂質をエネルギー不足に
ならない様に十分に摂取した上で、
糖質制限の有無を比較しないと、
「栄養失調」状態を騒ぎ立てるだけで
判断を誤ることになります。

「結論ありき」で都合の良い解釈を
してしまうことは危険ですので、
この様な情報を見た時には、
ちょっと一歩引いて考える意識を持ちましょう。

ちなみに「糖質制限し過ぎると死亡率が上がる」
からと言って、炭水化物や砂糖を貪り食うのが
良いと言うわけでは無いことにも注意が必要です。

そして、「カロリー」はあまり重視しない方が良いです。
あくまで完全燃焼させた時の熱エネルギー換算であり、
生体内での消化吸収やアミノ酸などの再利用については
全く考慮されていない概念です。

実際には食材や加工具合により消化吸収率などは
かなり変わりますので、計算上同じカロリーでも
身体への影響は全然異なることも多いのです。

では、低カロリーや高カロリーと言うのが
全く意味がないかと言うと違いますが、
結局は食べる量になりますので、
むしろ「重さ」や「体積」でも十分代用できます

そして、たとえ高カロリーであっても、
蛋白質や脂質、ビタミンやミネラルの無い
ほぼ純粋な炭水化物や糖類の塊であるケースも
ありますので、カロリーが高い=栄養豊富
と言うわけではありません

個人的には「極端な糖質ゼロ」は行き過ぎとは
思いますが、現代の食環境は「糖質氾濫」状態
であり、その悪影響が出ていることは間違いない
と感じています。

特に何らかの不調を感じていたり、
病気と診断され治療されている場合には、
厳格な糖質制限は必要だと思います。

その場合には改めて
・十分な抗酸化物質(色の濃い植物)
・良質な蛋白質
・良質な脂質
をかなり多めに摂られる様な形での
糖質制限をオススメします。

そうすれば「エネルギー不足」の心配は不要です。

もちろん、慢性的に蛋白質不足やミネラル不足が
ある様な場合には、そもそも体内の代謝経路や
消化酵素が十分に働けていないことも多いので、
適切なリハビリ過程が必要になりますが。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190901-00000008-pseven-life&fbclid=IwAR19w3DU0PNxBi4Pck2QjI9HfufZaeDA4mN3sxtDsfnhQH1lTkLzIhuXQfQ