【COPDの大きなリスク因子とは!?】


こんにちは、Dr.Kです。

皆さんはCOPDって知っていますか?
慢性閉塞性肺疾患 Chronic Obstructive Pulmonary Disease
の略称です。

って、知らない人は何のこっちゃ!
のまんまですよね。
煙草を吸われる方はよくご存知かも。
喫煙者の成れの果てとも言われる病気。

肺とは細かな肺胞と言う構造があり、
それが空気に触れる面積を増やして
ガス交換効率を高めているのですが、
様々な要因でその細かな肺胞が壊れ
機能しなくなり呼吸苦で苦しみ、
酷くなると酸素吸入をしないと
いけなくなります。

そして一度機能しなくなった肺胞は
元に戻ることは無いとされています。

日本テレビ「笑点」の先代司会者、
桂歌丸さんの晩年のお姿が
まさにCOPD患者の終末期。

いままでは
その原因の筆頭が「喫煙」として
警告が為されていましたが、
米国のハーバード大と仏国の国立衛生医学研究所
によって30年かけて行われた研究で、
COPD発症リスクを22-32%上げる、
喫煙よりも大きな要因が判明した
と言う報告がありました。

2017年に一度英国のThe Guardian誌に
取り上げられたこともあるとか。

こちらの記事にまとめられています。
https://indeep.jp/using-bleach-linked-to-lung-disease-copd/

その原因とは
以前から喘息との関連性が指摘されていた
「第四級アンモニウム塩」という成分
を含む除菌剤、殺菌剤、漂白剤など。

毎週その様な薬剤を使う機会がある
看護師達の中でCOPD発症が多い、
と言うことなのですが、
もちろん清掃を行う人達や家庭における
消毒/殺菌/漂白と言う行為を行う人達も
無縁ではありません。

米国の看護師であれば、
作業時のマスクと手袋着用は徹底しているかと
思うのですが、それでも防げない影響。
昨日の投稿とも重なりますが、
気化した第4級アンモニウム塩粒子は
サージカルマスクでは防げないと言うことです。

先程ご紹介した記事にある様に、
喫煙率は激減しているのに、
COPDによる死亡者数が増えている。
肺癌についても同様の傾向が。

次亜塩素酸とともに多くの製品で
使われる第4級アンモニウム塩。
「逆性石鹸」と言えばアレね、
と思われる方も多いのでは?

人体への悪影響は低いとされ、
・除菌用製品一般
・芳香除菌剤製品一般
・抗菌制汗効果のある製品
に広く用いられています。

フ◯ブリーズとかレ◯アとか
様々な「除菌」ウエットティッシュ
にも含まれています。


業界や業種によっては
使わざるを得ないケースも
あるかとは思いますが、
吸入しない様に換気などの
十分な対策が必要です。

そして健康を意識して
情報を集めていると、
常在菌環境の崩壊が
様々な病気の原因となっている
という事も明らかになっています。

過剰な清潔を追求するあまりに
喪うモノが大き過ぎることが
分かってきたと言うことです。

製造業の大会社が、
大規模なリストラを経営改善の為に
工場スタッフを自動化もせずに
9割解雇する様なモノですね。

確かにスッキリして人件費も減りますが、
一番大切な商品が作れなくなり、
肝心な商売が成り立たない。
この様なことは経営の世界では
あり得ないはずですが、
何故か人体に対しては普通に行われます。

人体も常在菌を過剰に叩けば、
健康を失い、生きていくことすら
ままならなくなるケースもあるのです。

抗生物質の乱用も一因ですが、
病院や食品工場などでも無いのに、
環境を過剰に消毒/抗菌グッズで
汚染することがマーケティングで
一般家庭に広まっていることも
大きな原因です。

手洗いも基本は水(お湯)だけで十分。
目に見える汚れも普通の石鹸で十分。
身体の汚れも同じです。

環境の清拭も病院や食品工場レベルまで
行う必要は無いのです。
ノロウイルス感染者の吐物や排便後の
処理/処置などの特殊な事情は別にして。

母校の恩師、藤田紘一郎先生が
30年近く前からズッと
「清潔環境が病気を増やす」
「ある程度の不潔さは身体を強くする」
と主張されていましたが、
またもやソレが裏付けられた
と言う感じですね。

あなたの普段使っている
パーソナルケア製品や消臭剤などに
第4級アンモニウム塩が含まれていたら
将来COPDを発症してしまうかも
知れませんのでご注意を。