これからの社会

こんにちは!

ヘルスドクター
宮崎 光史です。

週末に社会起業家である
Roger James Hamilton氏の
来日セミナーに参加していました。

そこではこれからの社会に
必要なことが語られましたので、
健康とは関係ないですが、
シェアさせて頂きますね。

Society5.0

Society5.0って聞いたことありますか?
パソコンとかスマホのOSですか?
って思った方、日本政府が世界に向けて
提唱している概念ですので、
ちょっとGoogleで検索したり
Instagramなどでタグってみて下さい。

これまで人類が築いてきた社会を

Society1.0:狩猟社会
Society2.0:農耕社会
Society3.0:産業社会
Society4.0:情報社会

と言う様に定義をした上で、
「超スマート社会」がやってくる、
としてSociety5.0を掲げています。

超スマート社会?って何?ダサ!

って思いますよね(笑)

まぁ政府が
優秀なコピーライターを
雇わなかったのでしょう。

それはさておき、
ネットを活用したSociety4.0では、
ITは人が情報を要求し、
要求に応じて返ってきた情報を
人が受け取り処理しています。

Society3.0レベルの飲食業や製造業、物販業も
ネット予約や注文と言う
IT技術を被せることで
Society4.0時代も生き抜いています。

しかし、
今後はそれでは厳しくなる。
と言うのです。

重要なキーワードはAIです。

コンピューターの中枢である
演算処理装置やその他の部品に
使われている集積回路をご存知でしょうか。

ICチップと言う方が分かりやすい
かも知れませんね。
こんなイメージです。

緑のは基盤で、その上の細かいのは配線です。
上に乗ってる黒い四角いのがチップです。

この集積回路を作っているIntel社の
創業者メンバーのひとりである、
Gordon Moore氏が1965年にある法則を
発表し話題となりました。

「半導体は18ヶ月毎に集積率が2倍となる」
と言うものなのですが、
実際にこれに沿う形で技術が進化
してきています。

「うん、だから何?」

ですよね!そう思いますよね。

ここで、面白い話を紹介します。

米とチェス盤

これはチェスが発祥した古代インドの寓話が
様々な形で残っているモノなのですが、

自分がいくつか見た中で比較的好みの内容を
紹介させて頂きますね。
共通する内容が大事なので。

指数関数って実は凄いんだよ、
と言うことがわかれば良いです。

インド・ケララ州のクリシュナ寺院に伝わるお話しです。
( https://en.wikipedia.org/wiki/Ambalappuzha_Sri_Krishna_Temple )

ある日クリシュナ神は賢者の姿になり王宮を訪ね、
王にチャトランガ(古代インドのチェスのようなゲーム)の勝負を申し込み、
王は喜んで勝負を受け入れました。

王は勝負が始まる前、
賢者が買った時にどのような褒美が欲しいか尋ね、
賢者はこれに対し
「少量の米粒が欲しい」と答えました。

米粒の数については、
チャトランガの板の
1マス目に1粒、2マス目に2粒、
3マス目に4粒、4マス目に8粒、
と置いていく。
つまり、マス目に置く米粒の数は、
1つ前のマスに置かれた
米粒の倍になるように並べていき、
盤に乗るだけのお米を欲しいと。

王は賢者の要求があまりに少なく感じたため、
もっと多くの褒美を与えると申し出たのですが、
賢者は丁重にこれを断りました。

そしてゲームは開始となりましたが、
クリシュナ神が相手ですから、
言うまでもなく王は勝負に負けました。

さぁいざ賢者に褒美を与える段階となり、
王は板の上に米粒を置き始めた。

そしてようやく賢者の要求の本当の意味に
気がつくことになるのです。
20マス目に至る頃には米粒の数は100万粒となり、
40マス目には1兆粒になっていました。

王国に貯えてある米粒はすぐに底をつき、
王は自国と隣国にある米を合わせても、
賢者に約束した米粒を差し出すことは
不可能だということが分かった。

米粒の数は指数関数的に増加し、
最後の64マス目には1844兆6千億粒になるのです。

困り果てた王の姿を見た賢者はクリシュナ神の姿に戻り、
今すぐ米粒を出す必要はなく、時間をかけてやれば良いと
伝えたとのことです。

このようにして、
王はすべての米粒を返すことができるまで、
寺院を訪れる人たちに米粥(パヤサ)を振る舞うことにした。

と言うことで、
この寺院では参拝者へ
米粥が振る舞われているそうです。

このチェス盤の話のお米ですが、
世界中の人が1日3食、
1回あたり1合食べたとしても、
383年もかかると言います。

チェス盤は後半に差し掛かっている

なんで突然こんな話をしたのか、
と言いますと、
Mooreの法則は「18ヶ月毎に2倍」ですよね。

1958年から本格的な半導体利用が始まった
とすると、そこから単純に18ヶ月毎に
2倍となることが続いている訳です。

先程の「米とチェス盤」になぞらえると、
2006年に32マス目まで到達しており、
「AIが○○に勝った」と言う話題が出始めた頃です。

既にかなり技術的限界に近い、
と言うことで量子コンピューターなどの
新たな仕組みによる計算機が開発されては
いますが、今後の集積率は先程のチェス盤の
後半と同様に、想像を絶するものになります。

ですから、シリコンバレーでは
「チェス盤の後半が始まった」と言う
言い方をされているのです。
計算上は2056年にチェス盤の64マス目に
到達すると言われています。

これからの社会では何が必要か

半導体の集積率が高まると言うことは、
それだけ計算能力や処理速度が劇的に
速くなると言うことです。

今までのコンピューターを前提に話をしても、
「そんなに少ない米で良いのか」と言っていた
古代インドの王と同じ様なことをしている
と言うことなのです。

そこでよく専門家の間でも議論になるのが
Singularity シンギュラリティー
と言う単語です。
日本語では「技術的特異点」などと
訳されますがよく分かりませんよね。

AI研究の第一人者であるRay Kurzweil氏が
提唱した概念であり、人間の脳内の神経細胞の数と
コンピューター内の神経細胞相当の数が等しくなり
AIの知能が人間を凌駕し、人間の生活に
大きな転換点がやってくると言う概念です。

しかし、
今までのコンピューター上で
AI研究をしている研究者達には、
「夢物語」としてSingularityは
あり得ないとする人達もいます。

これが寓話の王の様な意見では
無いことを祈るばかりですね。

しかし、
現実に半導体の集積率は高まり、
AIの進化もそれに伴い進歩しており、
Singularityの有無に関わらず、
我々の社会に大きな影響を与える
存在になることは間違いないでしょう。

その様な時代に何が必要なのか。

もう既に「仮想化」や「AI」の技術はかなり高くなり、
Instagramなどのインフルエンサーとして
活動しているアカウントにも
AIが投稿管理をしているモノがあり、
かなりの影響力を持っています。

これが進むと、
RealとVirtualあるいはFakeの区別が
かなり困難となってきます。

ですから、
個人あるいは規模の小さな身近な集団は
ある程度の信用力を保てますが、
それ以外の信頼性はかなり低くなると
言われています。

さきほど、
Society4.0のITでは人間が情報を要求し
システムがそれに応じた情報を提供する
と言う状態だと説明をしましたが、

Society5.0では、
様々なセンサーによる情報や個人情報から
適切な情報が要求しなくても
自動で選択され提供される
様になると言います。

マニュアルやガイドラインに沿った
労働はほとんどがAIやIT技術で
代用可能となります。

ただ、
・言葉の行間や裏を読む
・理由の説明
・個別化
・倫理観
と言うモノに関しては
おそらく代替はかなり先になるか
代替自体が不可能
とも言われています。

そして、その様ななかで
仕事は「稼ぎを得る手段」では無くなる
と言うのがRoger James Hamilton氏の
予測でした。

この様な時代は過去に
「ルネッサンス時代」の知識層にも起こり、
「自己表現」がすなわち働くことでした。

おそらくこれからの時代も
「記憶」「計算」「識別」は
AIやロボットの独壇場となり、
人間は永続的に
「自己理解」「自己改善」「自己表現」
を繰り返していく必要があり、
それをしない限りは
「意義のある人生は送れなくなる」
と言うのです。

「チェス盤の後半」の時代を生きるために
あなたが出来ることはなんですか?