【糖質制限は死を招く!?】

【糖質制限は死を招く!?】
こんにちは、Dr.Kです。

ふと見つけたこの記事。
「糖質制限で死亡率1・3倍以上!体に負担大きく心臓病やがんのリスク」
https://www.j-cast.com/tv/2019/11/20373101.html

TVを見てないので
記事内容に対しての
コメントになりますが、
「糖質摂取量が少ないとエネルギーが不足」
「栄養摂取基準を守ることが健康維持に大切」
と言うことを主張したくて、
米国における研究結果を例に出した
と言うことの様ですね。

大きな誤解をされてる医師や栄養士が
多いのですが、
「糖質制限=エネルギー制限」
と言う認識自体が間違っています。

「蛋白質や脂質がエネルギー源となるからダメ」
と言うのは全く逆でして、
「十分量の蛋白質や脂質を補った上で糖質を減らす」
のが糖質制限の基本的概念です。

ですから糖質制限を評価する際に
「エネルギー不足」を主張されている時点で
理解されてないことを表明されていますし、
もしソレで悪影響が出ているとすれば、
「栄養失調」になっているだけです。

食事や健康など人体への影響については、
更に一要素だけでなく様々な要素が絡むので、
評価が難しいのも事実です。

ですから可能な限り注目した項目以外の
条件は統一した上で評価をする必要があります。

しかし不思議なことに、
アンチ糖質制限とでも言う様な主張は
何故か「エネルギーが不足する」を
錦の御旗の様に振りかざします。

現代の食環境における糖質は
精製されたものばかりであり、
栄養素の無い「エンプティーカロリー」です。

糖質を制限しながら脂質や蛋白質を
十分量増やせば不足しない様に出来、
熱量以外の栄養素も補給出来ます。

そもそも消化吸収や
生体内の化学反応において
完全燃焼を前提とした
熱量(カロリー)理論自体が
あまりに雑な比較の基準です。

食べたモノが一旦CO2やH20に
分解されるのならばまだ良いですが、
人間の身体は二酸化炭素と水だけで
出来ている訳ではありませんので、
完全燃焼後の状態から、
アミノ酸や脂肪酸、ブドウ糖などを
再構成する際に必要なエネルギーを
差し引かないとおかしいはずです。

もちろんその他にもツッコミどころは
満載なのですがこれくらいにしておきます。

運動量のカロリー換算も実は
どれだけ呼吸が荒くなるかの
指標にしか過ぎません。

また厚労省の栄養摂取基準ですが、
「遵守すれば健康を維持できる」
と言う根拠は残念ですがありません。

単に調査時点での平均的な食事から
これくらい摂っておけば良いんじゃね?
と言う感じで作られているだけなんです。

糖質の多い食事が広まってるから
糖質を熱量換算で50-65%となっている
それ以上でもそれ以下でもありません。


糖質制限が話題になって日が浅いので、
影響については注視する必要がある、
と言う言い方をする方も居ますが、
現代ほど精製糖質が氾濫しているのも、
コレが日常化してから日が浅いのです。

にも関わらず様々な弊害が
増加の一途を辿っています。

コレもまた影響を注視する必要が
あると言うのならば、研究であれば
「倫理的問題」として中止となる
様な問題かと思います。

正しいか間違っているかの評価の為には、
「正しい理解をする」
「正しいやり方をする」
「平等な評価をする」
と言うことが必要です。

「◯◯で死亡率改善/悪化」
「◯◯で××のリスク低下/上昇」
と言う情報を見た時には要注意です。