食事

【日本の鶏卵は凄い!?】

こんにちは。

ヘルスドクター

健康実践支援専門医師

宮崎 光史です!

ふとつけたテレビで

「JAPAN卵は凄いんです」

と言う特集が。

米国では全ての卵パックに

「固茹でで食べること」と

注意書きがあるとかで、

繊細な半熟状態すら

推奨されていないとか。

まぁそもそも動物性食品はダメ、

と言う方々もいますが、

たまに食べるくらいの方、

毎日複数個食べてるよ、

と言う方もいらっしゃるかと

思います。

最先端の「卵工場」として、

茨城県の工場が紹介されて

いました。

品質チェックや洗浄消毒工程は

しっかりしていることは

確認出来ます。

生食前提の「賞味期限」もあります。

ただ、「パック詰め時点から」

と言う法律を逆手に取って、

売れ残ったモノをパック詰め

したものが「セール品」と

して安売りされている

現状はあるようですが。

農家直売の鶏卵の場合は、

この様な工程を経て無いので

注意が必要ですね。

(中には農家内で同等の工程が

行われているところもあるかも

知れませんが。)

ただ、やはり海外では

禁止させている国すらある

ケージ内飼育管理されている

のは、一瞬画像で確認出来ました。

そして、

もしかしたら、病気予防目的で

抗生物質まみれなのでは?

と言う懸念も良く言われます。

果たしてコレは本当なのか?

少し調べてみました。

家畜に抗生物質を投与した場合、

・牛や豚などの出荷

・乳の出荷

に関しては、

出荷(採乳)前に一定の

休薬期間を設けることが

薬事法で決まっています。

休薬期間とは、

薬を与えずに飼う期間です。

投薬していなければ不要。

同様に、

採卵期の鶏に

抗生剤を投与することも

法律で禁じられています。

そして、鶏卵の場合は

勝手に生んでしまいますので

休薬期間を厳密に取ることが

困難です。

その為、

採卵期の鶏には

事実上抗生物質は

投与出来ない。

と言うか、

投与したら一定期間

出荷出来なくなる

のでしない

と言うのが実状の様です。

ですから、

マトモな農家から

出荷された卵には

抗生物質は含まれて

いないらしいです。

もちろん、

採卵期以外に抗生剤を

使用している可能性は

否定出来ませんが、

上記理由のため、

卵に抗生剤が規定値以上

残留していることは

可能性として低いでしょう。

もちろん、規制をかいくぐって

販売している卵があれば

この限りでは無いですが、

その様な卵を入手する方が

大変かも知れません。

ですから、

日本国内で流通している

鶏卵については、

アニマルウェルフェアに

沿った飼育環境が

整っているかどうかが

一番の問題の様です。

ちなみに、

卵黄の色や特殊な栄養素強化を

調整しているのは、

単に与える餌の色や成分です。

殻や卵黄の色自体は

栄養価とは無関係ですので、

不確実な情報に

踊らされない様にしましょう。

また、食品衛生法の

「食品一般の成分規格」に

「食品は抗生物質を含有してはならない」

との記載がありました。

と言うことは、

鶏卵以外の畜産製品では

国内で肥育目的の抗生物質は

ほとんど使われていないのか?

単に出荷前に休薬期間を設けて

いるだけなのか?

畜産農家の方の

コメントも大歓迎です。

是非、実状を共有して

下さい。

【糖質制限は「健康食」】

こんにちは!

ヘルスドクター

健康実践支援専門医師

宮崎 光史です。

江部先生の仰る通り。

6人に1人!日本の「糖尿病の常識」は大間違い 合併症が減らない「日本の根本問題」とは何か

今日11月14日は「世界糖尿病デー」。日本の糖尿病の有病者は約1000万人、予備群は約1000万人、合わせて約2000万人の「国民病」ともいうべき状況になっている。日本の糖尿病治療の問題点について、『男・50代からの糖質制限』の著者・江部康二医師が語る。

「糖質制限食はエネルギー不足」

「糖質制限食は病人食で健常人はダメ」

「糖質制限は怪しいブーム」

等の否定的な情報が多く、

「砂糖や炭水化物を食べて糖尿病を治す」

と言う様なモノまであります。

しかし、

現代人は

糖質(甘いモノ+デンプン)を

過剰に摂りすぎていることは

疑いの余地がありません。

そして、糖質を食べて血中に増加する

ブドウ糖の量が「血糖値」であり、

インスリンが必要なほどまでに

血糖値を上げる唯一の原因です。

血糖値を維持する為の糖新生は

インスリンが必要なほど上昇しません。

まずは「甘いモノ」カットを

してみましょう。

甘い物が欲しくなるのは、

アルコールやタバコ、麻薬と

同じで、一時期を乗り越えると

渇望感はスーッと消えていきます。

これまで甘い物(飲み物含め)の間食や

デザートが習慣になっていた方ほど

2週間ほどで気持ちと体調の

変化に気づくと思います。

コレをクリア出来た方、

あるいは元々甘い物を常食してない方は

是非今までの炭水化物(小麦粉や白米)を

半分に減らしてみて下さい。

1日1食だけ炭水化物を食べる、

というのも有効ですが、

その場合は夕食にすると、

睡眠の質が良くなる方もいるので

おススメです。

エネルギーが不足する、

と言う方はほとんど、

それまでの食事から

単に甘い物、デンプンを

カットしただけの食事を

している方々です。

良質な野菜、蛋白質、

そして良質な脂質を

むしろ高カロリーなくらいに

摂取するのが本当の

糖質制限です。

あなたも

出来ることから

始めてみませんか?

牡蠣?柿?

こんにちは!

ヘルスドクター
健康実践支援専門医師
宮崎 光史です。

牡蠣を食べると時として
体調や体質により起こる嘔吐下痢症。
その原因ノロウイルス対策として
柿渋が有効と言うことが
広島大学の研究で明らかになっています。

加えて、ノロウイルス以外の
多様なウイルスも不活化する
とのことで注目されています。

今更ですが、柿渋について
調べてみました。

そもそも柿渋って何でしょう?

「渋柿」に含まれる多種ポリフェノール
(タンニン、カテキン、フラボノイド等)
を含む高分子の結合体です。
渋柿を青いうちに砕いて発酵させ、
その搾り汁を熟成させた製品
のことも指します。

ポリフェノールの含有量は
柿渋100g中に3500mg。
緑茶230mg、赤ワイン300mgですので、
なんとその10倍以上も含まれてる
ことになります。

柿には甘柿、渋柿があります。

厳密に言うと
・完全甘柿:種が入らなくても渋が抜ける
・不完全甘柿 :種が入ったところだけ渋がぬけて褐斑が入る
・完全渋柿:渋がぬけない
・不完全渋柿:種が入ると不完全だが渋が抜け、種の周りだけ甘くなる 
なる分類があるそうです。

甘柿の品種は
タンニンの含有量が少ない
品種を交配して創られています。

カテキンのうち
エピガロカテキンガレート(EGCG)
と言うカテキンは最も機能性が高く、
制癌効果などが報告されており、
EGCGが豊富なカキタンニンも
高い制癌効果が報告されています。

そして渋味を感じるのは
舌の味蕾細胞のタンパク質と
柿の水溶性タンニンが結合するから。

渋柿を美味しく食べる為に行われる
渋抜き(脱渋:だつじゅう)は、
炭酸ガスやドライアイス、
あるいはアルコール(焼酎)を
用いて行われます。

密閉容器の中で炭酸ガス処理すると、
果実は無酸素下に無気呼吸を行います。

すると、ブドウ糖がTCAサイクルに
入らずに、その手前のピルビン酸から
アセトアルデヒドやエチルアルコールが出来、
アセトアルデヒドとカキタンニンが縮重合することで、
より大きな分子となって不溶性タンニンとなり、
渋味を感じなくなります。

不完全甘柿も未熟な時には
水溶性タンニンがあり渋いのですが、
種子が成熟するとすると無気呼吸を行い
発生するアセトアルデヒトと縮重合して
不溶性タンニンとなります。

自然に甘くなる柿と同じ様な反応を
起こして渋みを感じなくする、
と言うことですね。

 

柿渋の性質

柿渋の主成分
カキタンニンは
4種類のカテキンが
ポリマーになったもので、
分子量が13000-15000程度。

高分子の物質、例えば
タンパク質やセルロースと
カキタンニンに豊富な水酸基(-OH)
とよく結合する
そうです。

この性質を利用して、
・清酒の澱(おり)落とし
・紙の補強(セルロースと結合)
・サビ止め
・電子基盤の金の回収(柿皮を硫酸処理して加熱すると金と特異的に結合するそうです)
などに使われています。

そして、健康効果としては
①血圧降下
②ウイルス不活化作用
③制癌作用
④悪酔い防止
などが報告されています。

抗菌効果、抗真菌効果もある様ですが、
しっかりした研究報告は無さそうです。

分子量13000-15000のカキタンニンは
消化吸収されませんが、

降圧効果、制癌効果については
経口摂取での効果が確認されています。

その効果がどうして起こるのかは
解明されていませんが、
今後の研究が待たれますね。

また、上記健康効果は、
水溶性タンニンの効果であり、
不溶性タンニンでは
効果は無い様です。

ただ、不溶性タンニンを含む柿を
経口摂取した場合でも、
胃酸の作用で縮重合が切られて
一部は水溶性に戻る
と言う研究報告もあるとのことで、
甘い柿を経口摂取しても
ある程度は効果ある様ですね。

 

経口摂取可能な柿渋

健康効果のある柿渋が
サプリメントみたいな感じに
なっていれば、
海外で天然の抗生物質と言われる
オレガノオイルの日本版的な
感じに使えそうだな、
とふと思って調べると、
なんとありました!

大阪西川さんで作られている
「柿渋カプセル」
「玉の澁」(液体)

柿渋自体は平安時代から作られ、
様々な用途に使われていましたが、
一説によると、戦国時代頃に
刀での切り傷に塗るようになり、
江戸時代頃に飲用し始め、
漢方扱いになったとか。

漢方では柿漆(ししつ)と呼び、
・高血圧
・脳卒中後遺症
・夜尿症
・扁桃炎
・含嗽薬
・火傷や湿疹などへの冷湿布
・凍傷への塗布薬
などとして用いられます。

製造元の大阪西川さんは、
元禄年間(1688年~1704年)に
京都伏見で創業し、現社長さんは七代目!
とのことでビックリですね。

実はかなり昔から
使われてきたんですね。

 

最近では「歯周病に有効」
として使用を勧められる
歯科医もいらっしゃる様です。

基本的に液体柿渋は
大変臭くて激しく不味い
と言う大きな問題があるみたい
なのですが、

最初は拒絶している人でも、
体調によっては飲めてしまう

身体が要求して飲める人でも、
体調が改善すると飲めなくなる

と言う性質がある様です。

まさに漢方薬の性質ですが、
・身体が要求していれば飲めて、
・要求していなければ飲めない、
と言うことの様です。

飲めるかどうか確認すれば
飲み時と止め時がわかる、
と言うことですね。

漢方の煎じ薬と同様に、
身体が慣れてしまわないように、
「7日間服用して7日休薬する」
様な形で飲むのが良い様です。

柿渋をうまく使うと
面白いかも知れませんね!

もし
ご自身に合う方法を見つけたい、
望む結果を早く出したい、
と言う場合には、
個別面談申込のフォームより
お申込み下さい。

健康に必要な知識を
これから学んでいきながら、
健康に意識の高い人達と
交流をしていきたいと言う方は
オンラインコミュニティ
参加されるのもよいかと思います。

 

健康には「個人差」が大切

こんにちは!

ヘルスドクター
健康実践支援専門医師
宮崎 光史です。

「○○の推奨摂取量/バランス」
と言う様な質問をされることが
度々あります。

ネットやメディアにも
多くの情報がありますが、
実は個人差が結構あります

もちろん、何らかの症状がある場合、
それを改善させるをする為の目安としての
制限値はありますけどね。

遺伝子検査などを行い、
個人の傾向を推測することも
出来ますが、基本的には
実際に摂取しながら
実際の体調の変化を確認する
ことが大切になります。

例えば健常人の場合には
摂取カロリー換算あるいは
摂取重量換算(やりやすい方で結構です)で
20-25%程度の蛋白質
の摂取が望ましいと
言われていますが、
実際には
・40%程度の方が体調が良い
・15-20%程度の方が体調が良い
と言う方もいます。

完全菜食を勧める方には
5-10%で十分と言う方もいますが、
それがあなたに合うかどうかは
別問題と言うことです。

「糖質制限」が良い悪いと
言う記事もよく見かけますが、
「糖質過剰」が問題なのは事実。
ですから、「甘い物」を
常食/習慣的摂取することは
やめましょう。

本質的な糖質制限は
それをしっかりやった上での
話になります。

しかし、
「糖質完全ゼロ」を目指しても
事実上困難ですし、合わない方も
多いのでは無いかと思います。

夜に適度な量の良質な糖質を
摂ることが身体に必要な方も
いますし、良質な睡眠に良い
と言う研究もあります

ビタミンやミネラルの
必要摂取量についても
一般論的な最低摂取量は
公的機関が提示していますが、
実は個人の環境や体調
嗜好品常用薬剤などで
大きく変わってきます。

環境、嗜好品、薬剤使用により
活性酸素や毒物の代謝の為に
微量栄養素が消耗されることで
最低摂取量はクリアしていても
相対的に不足になる場合も多い
と言うことです。

ですから、
自分の生活や環境に応じて
必要な栄養素はしっかりと
サプリメントなどで補給する
と言うことも大切かと思います。

もちろん100%食事から摂れたら
理想ではありますけどね。

ただ、
サプリメントを摂っているから
暴飲暴食、添加物入りの加工食品ばかり
食べても大丈夫
と言うのはやめましょう。

サプリメントは
あくまで栄養補助として
使うためのものです。

自分にあった
・蛋白質(Proteins)
・脂質(Fats)
・炭水化物(Carbohydrates)
のバランスを見つけ、
・微量栄養素(ビタミン・ミネラル)
・食物繊維
・ファイトケミカル(植物栄養素)
を意識した食事をした上で
必要なサプリメントを
必要な時に使用する
と言うのが適切な使用
かと思います。

ただ、個別の栄養素だけを
あまりに偏って摂取すると、
結局は他の栄養素を
相対的に不足している状態に
してしまうので注意しましょう。

そして、
普段はその様な生活を
しっかり心がけている
のであれば、
たまには糖質食品などを
食べてみても大丈夫です。

習慣的に継続摂取することが
問題であり、普段適切な
生活で身体が整っていれば、
1-2回程度の影響はすぐに
回復することが出来ます。

もちろん食べたくなければ
無理に食べる必要もありません
けどね。(笑)

これもまた、
「主治医はあなた自身」
と言うことに繋がります。

でも、
暴飲暴食し喫煙飲酒しているのに
健康で長生きしている人もいます!
と言う意見もあるでしょう。

どうしてだと思いますか?

実は、
生活習慣/環境の影響は、
2-3世代に渡って影響する
ことが分かってきています。

もちろん素晴らしい遺伝子を
持っていると言う場合も
あるでしょうが、
その様な場合の多くは、
祖父母世代あるいはその前の世代の
生活習慣/環境が素晴らしく、
その方への負の遺産が限りなく
ゼロに近かったと言う場合が殆ど
なのです。

そしてたとえ
あなたの両親、あるいは祖父母の
生活習慣が良くなかったとしても、
自分の努力で
より良くすることは
可能
です。

そして、その努力は
子や孫の世代への素晴らしい遺産
となるのです。

ですから、
あなたは自分だけでなく
「子や孫の主治医」
であると言う側面もあるのです。

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【アブラについて2018その3−飽和脂肪酸−】

こんにちは!

ヘルスドクター
健康実践支援専門医師
宮崎 光史です。

「アブラについて2018」では
・栄養素としての脂質
・脂質の分類と体内での存在型
・不飽和脂肪酸の生体内での機能
についてお話ししました。

となると、残るは
「飽和脂肪酸」ですね。

「飽和脂肪酸≒動物性食品は不健康」
「不飽和脂肪酸≒植物性食品=健康」
と言うステレオタイプな認識は、
実は1970年代に提唱された仮説でした。

これに基づいて栄養指導が
行われたにも関わらず、
病気や肥満は増える一方でした。

 

アンチテーゼとして、
「脂肪を食べよう」
「糖質が諸悪の根源」
「果糖が諸悪の根源」
などの新仮説が提唱されていますが、
飽和脂肪酸については、
統一された見解は出ていません。

むしろ、常識の様に言われていた
「飽和脂肪酸=不健康」と言う仮説は
正当性が疑問視される傾向にあります。

 

不飽和脂肪酸については、
単純に「不飽和脂肪酸=健康」とは言えず、
その種類や質(特に酸化の有無)を
考えて理想的なω3:ω6=1:2-4と言う
バランスを目指した摂取が必要
と言うことを前回お伝えしました。
(未読の方はぜひ御覧ください。)

飽和脂肪酸は不健康?健康?

飽和脂肪酸についても、
単純に「飽和脂肪酸=不健康」と
言い切ることは難しいです。

「動物性食品が諸悪の根源」
と主張される人達もいらっしゃいます。
「健康や病気予防に有用な栄養素は
植物性食品をまるごと食べることで
ほとんど摂取可能」と言うことですが、
完全植物食をした場合に
サプリメントで補わなければいけない
栄養素があったりしますので、
「目に見えて動いて感情移入出来る動物を
殺して食べない道徳的なわたし」と言う
精神的満足感は得られますが、
健康と栄養を考えた場合には、
偏っている面があることは否めません。

思想、信念や宗教的信条に基づく選択は
「健康」「栄養」とは全く関係無いですし、
それを批評するつもりは全くありません。

 

その一方で、
・ケトン体ダイエット
・パレオダイエット
・MEC食(肉Meat、卵Egg、チーズCheese)
として動物性食品をメインとし、
流派によってはほとんど野菜は食べない
と言う方達もいます。

 

こちらもまた、全員では無いですが、
「食物繊維」「ファイトケミカル」
と言う栄養素をほぼ摂らない様な
形となり、かなり偏っています。

 

もし、飽和脂肪酸や動物性食品が
悪いのであれば、これらの集団は
菜食メインの集団と比較して、
病気発症率、死亡率が
著明に高くなって良いはずです。

 

まだ新しい食事法ですので、
結果がどうなるかは、
今後あるいは後世の方々が
判断することになると思います。

 

そもそも飽和脂肪酸は
ヒトは体内で合成でき、
必ず摂らなければいけない
ものではありません。

では、飽和脂肪酸を食べる理由は
一体なんでしょう?

間違いなく言えるのは
「料理にコクや深みを与える」
と思いますが。(笑)

飽和脂肪酸の分類

前々回、初回に簡単に分類を
お示ししましたが、
長鎖、中鎖、短鎖
の三種類がありましたね。
(細かい炭素数による区分けは
統一基準が無い為、資料により
境界が微妙に異なります。)

短鎖脂肪酸

短鎖脂肪酸は、
炭素数7個以下のもので、
酢酸、プロピオン酸、酪酸
などが含まれます。

短鎖脂肪酸は、大腸において、
食物繊維やオリゴ糖を腸内細菌が
代謝することにより生成されます。

生成された短鎖脂肪酸の大部分は
大腸粘膜組織から吸収され、
上皮細胞の増殖や粘液の分泌、
水やミネラルの吸収のための
エネルギー源として利用されます。

一部は血流に乗って全身に運ばれ、
肝臓や筋肉、腎臓などの組織で
エネルギー源や脂肪を合成する材料として
利用されます。

その他にも短鎖脂肪酸には、
・腸内を弱酸性の環境にすることで
 有害な菌の増殖を抑制する
・大腸の粘膜を刺激して蠕動運動を促進する
・ヒトの免疫反応を制御する
など様々な働きがあることが知られています。

中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸

中鎖脂肪酸は、
炭素数8-12個のもので、
ココナッツやパームフルーツなど
ヤシ科植物の種子の核の部分に
多く含まれています。
母乳や牛乳にも含まれています。

中鎖脂肪酸は、
炭素鎖が13個以上の長鎖脂肪酸に
比べて短いため、
比較的水になじみやすい特長をもちます。

食品に含まれる脂肪の多くは、
前々回にもお話した様に、
化学的に安定した
中性脂肪を構成しています。

体内に入ると
中性脂肪は十二指腸内で
胆汁により乳化されます

次に
消化酵素リパーゼの働きで、
脂肪酸を一つつけたモノグリセリドと
脂肪酸、グリセロールなどに分解されます

 

水に溶けやすいグリセロールは
そのまま小腸上皮細胞から吸収されますが、
モノグリセリドと長鎖脂肪酸は、
胆汁酸の働きによりミセルという
形態となりリンパ管へと吸収され、
胸管、鎖骨下静脈、心臓へと巡って
全身へ運ばれます

難しくて良く分からないですかね?

ザックリと言うと、
中鎖脂肪酸は腸→門脈→肝臓
長鎖脂肪酸は腸→リンパ管→心臓→全身
と言う過程を取るので、
中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸と比較し
4-5倍の速度で吸収、代謝され、
より早くエネルギー源として
利用することが可能となります。

また、中鎖脂肪酸を摂ることで、
自身の体脂肪の燃焼もしやすくなる
とも言われています。

この特徴から、
中鎖脂肪酸がエネルギー源として
注目されているのです。

しかし、長鎖脂肪酸については、
基本的に心血管疾患その他の病気の
原因となる可能性があり避けるべき、
とする意見が大勢を占めています。

ただ一方で、
非精製糖質を摂る様な健康食と
同じ様な健康効果が超高脂肪食に
あるかも知れないと言う報告もあるのです。

飽和脂肪酸は質と量を限定すると健康に良い?

2017年1月に
The American Journal of Clinical Nutritionに
ノルウェーのベルゲン大学の研究チームが
「新鮮で加工度が低く
栄養価の高い食事を通じて
摂取したものであれば、
飽和脂肪酸はむしろ
健康に良いかもしれない」
とする研究報告を行いました。

対象数38名の12週間の
ランダム化比較試験ですので、
まだなんとも言えないですが、
・加工度の低い炭水化物(全粒穀物など)
・良質な脂肪
の健康影響は、
驚くほど似ていた
ということです。

この研究では、
38名の男性の腹部肥満者を
無作為に2群に分け、
・超高脂肪低糖質食(カロリー換算で脂質73%、糖質10%)
 (脂質の半分は飽和脂肪酸を摂取しています)
・低脂肪高糖質食(カロリー換算で脂質 30%、糖質53%)
の食事を12週間継続して
その効果を検証しています。

両群の
・総カロリー
・蛋白質
・多価不飽和脂肪酸
の摂取量は同一。
食品のタイプも同じにして、
ただ量が異なるだけでした。

その結果、
超高脂肪食でも
心血管系疾患のリスクは高くならず、
内臓脂肪、血圧、血中脂質、インスリン、
血糖などにむしろ改善を認めた
とのことです。

 

そして、この研究は
「新鮮で加工度が低く
栄養価も高い健康的な食事を通じて
飽和脂肪を大量に摂取した場合の
効果を調べる」
と言う目的があったとのことで、
・小麦粉を主成分とした製品の代わりに、
 豊富な野菜と米が使われ、
・脂肪の供給源も、低加工の主にバターやクリーム、
 低温圧搾された油など
が使用されています。

 

この研究を、
対象数が少なく追跡期間も短い
不十分な研究と無視する
ことも出来ます。

しかし、研究チームが言う様に、
脂肪の健康リスクは誇張され過ぎ
と言うことは間違いないでしょう。

そして、公衆衛生的には、
・小麦加工食品
・高度加工脂肪
・糖添加食品/飲料
を減らすことがより重要
と言うのも首肯できますね。

「健康な食事であるための
最も重要な原則が、

脂肪や炭水化物の量の問題ではなく、
それらの質であったことを
今回の結果が示している」
と言うJohnny Laupsa-Borge氏の言葉も
かなり本質では無いかと思います。

そして、飽和脂肪酸が善か悪か
と言うことについても、

「大部分の健康的な人にとっては、
飽和脂肪を多く摂取しても、
それが質の良い脂肪であり、
かつ極端に食べ過ぎなければ、
特に問題は起こらないでしょう、
健康的とすら言えるかも知れない」
とOttar K Nygård教授は仰られています。

カロリー換算73%(半分が飽和脂肪酸)
と言う超高脂肪食も、
・良質なものを選び
・全体量を調整すれば
「極端に食べ過ぎ」では無いと言う
ことでしょうか。

以上、3回に渡ってアブラについて
書いてみました。

参考になれば幸いです。

【アブラについて2018その2−不飽和脂肪酸−】

こんにちは!

ヘルスドクター
健康実践支援専門医師
宮崎 光史です。

前回は
・栄養素とアブラ
・脂肪酸の種類
についてお話しました。

今回は「不飽和脂肪酸」
についてお話させて頂きます。

不飽和脂肪酸の分類

不飽和脂肪酸の分類については
前回お話しましたが、覚えていますか?

健康と食事に関係するモノとしては、
ω3、ω6、ω9の三種類でしたね。

これも、それぞれの種類のなかに
様々な脂肪酸があります。

そして、ヒトは生理学的に
脂肪酸を変換するある酵素が無い為、
ω3とω6の脂肪酸は外から摂る必要が
あります

最近、多価不飽和脂肪酸
(英語表記の頭文字を取りPUFAとも
呼ばれますが、ω3とω6のこと)は
必須では無く摂る必要が無い、
むしろ酸化しやすく諸悪の根源である、
と言う説を唱える方もいる様です。

真実はどうなのかの言及はしませんが、
もしPUFA不要説が本当であれば、
「生きるために酸素は不要」
「生きるために水は不要」
と言っているくらい、
生化学の常識を覆すことなのです。

「必須脂肪酸が必須では無い」ことが
証明されれば、ノーベル賞どころの
騒ぎでは無く、世界がひっくり返るのです。

前回の話で述べましたが、
・トリグリセリド(≒中性脂肪)
・リン脂質(細胞膜構成物)
を構成している脂肪酸には
様々なモノがあります

動物性食品の中性脂肪や細胞膜、
ω9が多い植物性食品にも
ω3やω6はある程度含まれている
と言う事実があります。

ですから、
アマニやエゴマ、魚介類など
ω3を比較的多く含む食材を
一切食べなくても生きているから
PUFA不要、とは言い切れない
ので、注意して下さい。

話が逸れてしまいました。

ω3とω6の必要性と関係性

ω3、ω6はどちらも
ヒトが生きていく上で
外から摂らなくてはいけない
必須脂肪酸です。

ω3:α-リノレン酸→EPA、DHAなど
ω6:リノール酸→γ−リノレン酸、アラキドン酸など
(だいぶ簡略化してます)
とそれぞれの代謝過程を経ますが、
その代謝過程で必要な酵素が共通しており、
片方が多くなると競合してしまい
もう片方の代謝速度が遅くなる
と言う関係があります。

理想的な摂取バランスは、
ω3:ω6=1:2−4と言われています。

そして、ω3とω6はヒトの体内では
変換出来ない為、どちらも必要なのです。

ω3のEPA、ω6のアラキドン酸から、
生理活性物質の
・プロスタグランジン
・ロイコトリエン
・トロンボキサン
(それぞれ多くの種類が特定されています)
などが合成されますが、これらが
・炎症
・血液凝固
などに深く関わってきます。

ω3から合成されるモノは炎症抑制
ω6から合成されるモノは炎症亢進
働きます。

先ほど書いた様に、
変換酵素が共通していると言うことも、
ω3の代謝が行われることで
ω6代謝を競合抑制し、炎症亢進を抑える、
と言う側面もあります

現代の食環境では、
ω3:ω6=1:20−40
とω6が理想バランスの10倍にも
なっていると言われています。

ですから、
・ω6不飽和脂肪酸を多く含む植物油を控える
・ω3不飽和脂肪酸を意識して摂取する。
と言うことが大切になるのです。

酸化脂肪酸の危険性

ただし、注意しないといけないのは、
ω3にせよω6にせよ酸化したアブラは
体内において悪影響があります。

具体的に言うと、
遊離脂肪酸→脂肪酸ラジカル→
過酸化脂肪酸ラジカル→過酸化脂質(アルデヒド類など)
と言う過程で酸化が進み、
発生した過酸化脂質がDNAや細胞に
慢性的な酸化刺激を与えることで、
発がん性を示すと言う報告もあります。

ですから、アブラは可能な限り酸化しない状態で
摂ることが必要になります。

アブラの酸化を避けるには

液状オイルの状態で保存をしておくと、
徐々に酸化が進みます。

どの時点で有害物質が発生しているのかは
油の種類や状態など様々な要因で変わります。

食べる前の油の酸化に大きな影響を与えるのは、
空気中の酸素や温度とされています。
0℃以下でも酸化は進みますし、
10℃上昇すると2倍の速度で酸化する
とも言われます。

【酸化が疑われる指標】
・加熱時に煙が出た
・油に新鮮な時より粘りが出てきた
・泡が新鮮な時より消えにくくなった
・色が褐色になってきた
・嫌な臭いがしてきた

こうなってくると酸化している
可能性が大きいです。

ですので、加熱調理をする場合、
加熱に耐えられる油を選ぶことも
大切になってきます。
・オリーブオイル
・ココナッツオイル
・アボカドオイル
などは加熱調理に向いている
と言われていますが、それでも
上記指標への注意と
下記保存法や使い方

も大切になります。

また、油の保存方法や使い方も
注意しましょう。

・できるだけ空気に触れさせない
・遮光ガラスボトルなどに入れ、
 光が当たらないようにする

・冷暗所に置き、熱を避ける
・繰り返し使用を避ける
・湿度が高いところでの保存は避ける
・古い油に新しい油を継ぎ足さない

と言うことを注意するだけで
かなり変わってきます。

そして、
避けられなかった酸化脂質や
体内で発生した酸化物質の悪影響を
最小限にする為に、
食べ物から摂る抗酸化物質が有効
と言われています。

前回の栄養でお話しした、
ファイトケミカル:ベータカロテン、リコピンなど
ビタミン:ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなど
ですね。

植物の実などを搾っただけの状態のオイル、
いわゆるエキストラバージンのオイル
であれば、この様な成分も含まれたまま
ですので、更に酸化しにくいと言えます。

ただ、ファイトケミカル等が
独特の風味をもたらす為、
苦手な方は適切な精製過程を経た
オイルを使用しても良いと思います。

また、オイルを含む食材を搾らずに
まるごと食べると言うのもありです。

魚介類をそのまま調理するのであれば
通常の加熱調理では
含まれる脂肪酸は問題となるほど
酸化されないと言う報告もあります。

エゴマやアマニなどの種子類の場合は
消化吸収しやすい様に、
使用直前にすり潰してから
加熱せずに摂るのが良いかと思います。

 

魚に含まれるω3オイルの源である、
藻類やオキアミ(クリル)類なども
優良な摂取源となり得ると思います。

 

藻類にはスピルリナ、ユーグレナ、
クロレラ、ナンノクロロプシス、
などがあります。

 

藻類のサプリメントは、
オイル以外の栄養成分も優秀なので、
培養した藻類をパウダー状、
あるいはタブレット状に加工した
シンプルなモノが多いです。

 

クロレラはその中で細胞壁が硬い為、
適切な処理がされた消化吸収率を
意識したサプリメントを使って下さい。

 

ナンノクロロプシスはEPA含有量が
他の藻類と比較して非常に多く、
その他の栄養成分バランスも
優れていますので、
個人的に注目しています。

 

オキアミ(クリル)については、
サプリメント化されているモノも
ありますが、酸化に注意して下さい。
普通に食材として利用しても、
優秀な抗酸化物質であるアスタキサンチン
も含まれますので良いと思います。
入手がやや難しいかも知れませんが(^_^;)

次回は、「飽和脂肪酸」についてです!

【アブラについて2018その1−栄養素と脂肪酸−】

こんにちは!

ヘルスドクター
健康実践支援専門医師
宮崎 光史です。

突然ですが質問です。
「アブラ」と言うと
何を思い浮かべますか?

石油?
ガソリン?
揚げ物に使うオイル?
お肉の脂身やサシ?
お腹まわりについてるもの?

様々なモノがありますね。

アブラ全般については、
それだけで年間講義が出来るくらい
大変な分量になります。

今回は「健康に重要なアブラ」について、
かなり分かりやすくした形で
ご紹介したいと思います。

細かい構造式などは省きます。
慣れない用語もあるかと思いますが、
大きな形を理解して頂ければ
大丈夫です。

長くなってしまったんで、
今回は「その1」として
「栄養素としてのアブラ」
「脂肪酸の分類」
についてお話させて頂きますね。

このblogでは以前にも、
・必須脂肪酸
・オメガ3やオメガ6
についての記事がありますので、
そちらも参考にしてみて下さいね。

食事に含まれる栄養素

食事に含まれる栄養素には
何が含まれるかご存知ですか?

【3大栄養素】

・タンパク質
・脂質
・炭水化物(糖質と認識した方が良い)
※発見当時の技術ではこの3種類の検出が限界であり、
 これが食物中の全栄養素と認識されていました。
※身体構成成分としてタンパク質、脂質は必須栄養素です。
 タンパク質、脂質については個人差はありますが、一度の
 消化吸収量に限界があり、吸収出来ない分は排泄されます
 糖質はエネルギー源として重要ですが体内合成が可能で、
 「必須栄養素」では無い上にほとんどの人で消化吸収率が
 高く、余剰分は中性脂肪として蓄えられるので、
 適正量に留める必要があります。
※厳密に言うと、炭水化物=食物繊維+糖質ですので、
 「糖質」と言う方が正確ですが、
 栄養学上は食物繊維も含めた意味を持って
 3大栄養素「炭水化物」として表現されることはありません。

【5大栄養素:上記3つに以下の2つを加えた総称】

・ビタミン
・ミネラル
※技術の発展により検出可能となり、
 3大栄養素に加えて、
 微量ですがこれらが生命活動にとって
 大事と言うことが分かってきました。
※これらの存在や機能が特定されるまでは、
 ビタミン欠乏やミネラル欠乏は、
 風土病や感染症などと言われていたのです。

【7大栄養素:上記5つに以下の2つを加えた総称】

・食物繊維
・ファイトケミカル(植物栄養素)
※つい最近まで、食物繊維は
 「消化されない余計な残りカス」
 「便をかさ増しし便通を整える」
 程度にしか認識されていませんでしたが、
 腸内細菌叢を構成する細菌のバランスを
 整えたり、その細菌による代謝産物が
 腸粘膜の健康維持に役立っていることが
 分かってきています。
※更に、植物が厳しい環境に耐える為に
 創り出した物質(ファイトケミカル)に
 抗炎症作用や抗がん作用が
 認められることが分かり、第7の栄養素
 として研究が進められています。

上記の各栄養の詳細については
過去記事を参照して頂くか、
また別の機会にお話しますね。

食事に含まれるアブラ

さて、上記の様な食事に含まれる
栄養素のひとつである「脂質」ですが、
分子構造の特徴から大きくふたつの種類に分けられます。

・飽和脂肪酸
・不飽和脂肪酸

飽和脂肪酸

脂肪酸は炭素原子が
鎖状につながる構造をしていますが、
飽和脂肪酸は、
炭素同士の結合に二重結合が無いもの
です。特徴としては、
「常温で固体である」
「酸化しにくい」
です。

その炭素鎖の長さで
・短鎖(Short Chain):炭素が7個以下繋がったもの
・中鎖(Midium Chain):炭素が8-12個繋がったもの
・長鎖(Long Chain):炭素が13個以上繋がったもの
※統一基準が無く微妙に異なる定義もあります
と分類されます。

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は、
炭素同士の結合に二重結合があるもの
で、特徴としては
「常温で液体である」
「酸化する」
です。

不飽和脂肪酸については、
二重結合を持つ炭素原子が末端から何個目かによって
分類がありますが、食事と健康について話す際には、
以下の3種類が特に大切です。
ω3:炭素間二重結合が多い
  3種の中でもっとも酸化しやすい
ω6:炭素間二重結合が数箇所
  3種の中でやや酸化しやすい
ω9:炭素間二重結合がひとつ
  3種の中ではもっとも酸化しにくい
※ω(おめが)では無く、n-3と言う表記法もありますが
 意味は同じです。

生体内での脂肪酸

そして、ここからが大切なんですが、
生体内で常に「脂肪酸」単体で存在
しているわけではありません。

飽和脂肪酸も不飽和脂肪酸も
動物においても植物においても生体内では
グリセリンに脂肪酸が結合した
中性脂肪(neutral fat)と言う形で
蓄積されることが多いです。

脂肪酸の結合数によって、
グリセリン+脂肪酸1個=モノグリセリド
グリセリン+脂肪酸2個=ジグリセリド
グリセリン+脂肪酸3個=トリグリセリド
が存在しますが、動物血液中には
ほとんどトリグリセリドしか存在せず、
中性脂肪≒トリグリセリドと考えても
病気や検査結果などを扱う場合には
問題ありません

トリグリセリドを構成する脂肪酸は一種類では無く
様々な組み合わせが存在します

ですから、動物性食品に含まれる中性脂肪にも
不飽和脂肪酸が含まれていたりするので、
どの様な環境でどの様な食事をした動物なのか
がとても大切になってくるわけです。

また、動物細胞の表面を構成する
細胞膜の構成成分は、「リン脂質」です。

グリセリンやスフィンゴシンを中心骨格として
脂肪酸とリン酸が結合し、
さらにリン酸にアルコールがエステル結合した
構造を持っています。
理解できない方は無視して大丈夫です

簡単に言えば、
親水性のリン酸エステルに
疎水性の脂肪酸が2つ(同じモノとは限らず)
くっついた形です。

疎水性の部分を内側して二重構造を
取ることで、細胞膜の内面と外面は
親水性のリン酸エステルが並んでいます。
脂肪酸やアルコールには様々な種類があるため、
これもまた組み合わせが無数にあります。

そして、この二重膜の中に
タンパク質で出来た構造体が
埋まりこんでおり、
受容体、チャネル、ポンプ
などの様々な機能を担っています。

固定されたプラスチックの様な膜では無く、
柔らかなゼリーの様な膜の上を
かなり流動的に構造体が
動き回っている
イメージ
です。

「細胞膜がしなやか」
「細胞膜が柔らかい」
と言う言い方は、
この流動性が高く保たれている
と言うことを表しています。

健康診断でよく問題となる「コレステロール」
(厳密には問題となるのは運搬形態である
リポ蛋白との複合体)
ですが、この流動性のある
二重膜構造の安定化の為に
大変重要な
物質です。

コレステロールは、
他にもステロイドホルモンの材料
などとしても大変重要ですね。

細胞膜を構成している
リン脂質を構成する脂肪酸に

二重結合が多いほど、
(すなわちω3が多いほど)
炭素骨格が曲がっており
リン脂質同士の相互作用が弱まる為、
細胞膜の流動性がより高くなる
とされています。

この理由の他にも、
炎症のコントロールの為に
ω3とω6のバランスが重要に
なるのですが、
長くなりましたので、
とりあえず今回は
これくらいにしておきますね。

次回は「不飽和脂肪酸」
についてお話したいと思います。

オイルが身体に合わない…

こんにちは。

ヘルスドクター
健康実践支援専門医師
宮崎 光史です。

「脂質が大切」と言われるけれど…

・細胞膜は脂質で構成されている
・脳の60%程度は脂質
と言うことで
・良質な脂質が大切
と言われる様になりました。

しかし、
脂肪、特に液状オイルを摂ると
下痢をしてしまったりして
「自分にはオイルが合わない」
と言われる方がいます。

特にエネルギー源として注目される
中鎖飽和脂肪酸(MCT)に多い印象です。

 

「脂質が合わない」=「脂質は避ける」べき?

もちろん遺伝的に過敏な体質
と言う面もあるかも知れません。

その場合は精製度の高い液状油を避け、
食物から良質な油を直接摂る必要があります。

しかし、今まで摂っていなかった
ものに身体が慣れていない、
と言うこともあります。

本当に全種類の脂質が摂れないと言う方は
ほとんどいないはずです。
御自身の身体の構成物なのですから。

下痢をしてしまったりする場合は、
まずは半分、四分の一、と減量していき、
下痢をしない量が分かったら、
しばらくその量を継続して摂り、
身体が慣れたら増やしていく、
と言う方法があります。

次に、MCTオイルの様な
特定成分の純度を上げたオイルが
合わない可能性があります。

MCTオイルの原料として使われる
ココナツオイルには、
4種類のMCTが含まれています。

  • ラウリン酸:殺菌作用はあるが、長鎖脂肪酸の様に代謝され脂肪代謝を上げる働きは無い。
  • カプロン酸:脂肪代謝を上げるが、下痢や胸焼けを起こしやすい
  • カプリン酸:脂肪代謝を上げるが、効果が出るまでに時間がかかる
  • カプリル酸:最も早く体内のケトン体レベルを上げ、整腸作用もある

です。

ですので、脂肪代謝を上げる為に
MCTオイルを利用したいけれども
下痢や胸焼けがキツくて無理!
と言う場合は、その主要因とされる
カプロン酸が含まれず
純度の高いカプリル酸製品である
Brain Octane Oil(ブレインオクタンオイル)
と言う商品もあるので、
試してみても良いかと思います。

「カプリル酸」の
サプリメントもあるので、
それを使う方法もあります。

もっと手軽に出来る方法としては、
無理に精製されたMCTオイルを摂るのでは無く、
・精製度の低いエキストラヴァージンココナツオイル
・牧草飼育の牛や山羊などミルクから
 作られたバターやギー(澄ましバター)
利用すると言う方法もあります。

また、ここが大切ですが、
健康の為にMCTオイルは必須ではありません。

身体に合わない場合は無理に
脂質代謝を上げようと思わず、
むしろ良質な必須脂肪酸を
摂ることを意識しましょう。

・魚介類
・ナッツ類
などをうまく活用すると良いです。

必須脂肪酸については過去記事
健康と食事、栄養について
に記載しましたので、
必要な方はご参照下さい。

もし
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「健康は流行?」

こんにちは。

ヘルスドクター
健康実践支援専門医師
宮崎 光史です。

「病気の専門家」である医師も、
実は健康については素人同然です。

テレビに出ていた「神の手」を
持つとされているドクターも、
『パワーサラダ』がブームでしょ
と言う理由で市販のパックサラダを
毎日3食買っていると言うことで
「健康に気遣ったモデル並みの食事」
と賞賛されていました。(^_^;)

アプリで注文してお持ち帰りしている
とのことで、健康に気遣ったお店のもの
かとは思いますので、ドレッシングなども
ある程度は使用オイルや添加物を
気にされているのかも知れません。

確かに
・仕出し弁当
・おにぎりやサンドイッチ
・カップ麺

・ファーストフードの出前
(実は医療関係者はこの様な食事が多いです)
よりははるかに良いですが、
とりあえず野菜が入っていれば
良いわけでも無いのです。

一過性の流行に乗って、
様々な食事を試すことも
悪くはありませんが、
まずは大事な原理原則を
しっかり知らなくては、
メディアによるマーケティングに
踊らされるだけです。

何が大切なのかが分からない場合は
このblogの過去記事を読んでもらう
のも良いですし、
市販の健康本を読まれるのも良いです。

どの本を読めば良いのか分からないほど
健康本はちまたに溢れていますが、
たまに書籍紹介もblogでするので、
自分が紹介した本を読むのも良いと思います。

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「酵素」は大切!?

こんにちは。

ヘルスコンサルタント
宮崎 光史です。

健康関連で「酵素」と言う
キーワードが出てきます。

大元を辿っていくと、
Edward Howell博士の
「Enzyme Nutrition(酵素栄養学)」
に行き着きます。

「酵素栄養学」とは?

専門書もあるくらいですので、
1ブログ記事で詳しく書くことは
不可能ですが、エッセンスだけ。

一生のうちで作れる酵素の量「潜在酵素」
が人によって決まっていて、
食べ物に含まれる酵素「食物酵素」
を食べて補うと
「潜在酵素」の消費量を節約できる
ので寿命が延びる
というものです。

酵素を「栄養の一種」と捉えて、
「酵素不足が万病の元」
としています。

そして、
酵素は加熱すると変性失活するので
加熱した食品よりも
非加熱/低温調理食品を
食べる方が体に良いとか、
発酵食品には酵素が多く含まれるから
食べると体に良いのだとしています。

 

「酵素栄養学」の不思議

確かに、
その様に考えて食事をすることで、
熱に弱い栄養素を壊すことなく
摂ることは可能でしょう。

しかし、この「酵素栄養学」が
もし真実なのであれば、
「生化学」の常識が根本的に
変わる様な「原則に矛盾」
したところが多いのです。

さきほど簡単に説明した内容で
説明しますと、

「酵素の生成量は上限がある」

体内の生化学反応に必要な酵素は
遺伝情報に基づいてアミノ酸を
独特な配列に組み上げることで
特定の蛋白質が作られます。

上記では言及しませんでしたが、
Enzyme Nutritionでは
実際に体内で働く酵素を
・消化酵素
・代謝酵素
として大きく分け、
一方を節約することで
もう一方を助ける
と言う理論もあります。

消化酵素については後述しますが、
「酵素の生成量は一生で上限がある」
と言うことは、
「酵素は消耗品」
と言うことが前提になります。

酵素の定義は
日本工業規格(JIS K 3600-1310)には
「選択的な触媒作用をもつタンパク質を主成分とする生体高分子物質」
とあり、これは現代科学の共通概念です。

よく分からんぞな…
と言う方も多いかと思いますが、
・ある作業に特化して
・作業の進みを速くしてあげるサポーター
と言うことです。

あくまで「サポーター」であり、
作業(化学反応)に直接的には関わらず、
化学反応の前後で消費されない
と言うことです。

そして、人間の消化酵素には
・蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)
・糖質分解酵素(アミラーゼ、スクラーゼ、ラクターゼなど)
・脂質分解酵素(リパーゼ)
(上記はそれぞれ何種類もあります)
が主にありますが、
それぞれの生成分泌量やバランスに
個人差があると言うことは
事実かと思います。

ですから、人によって、
・蛋白質の消化吸収が得意/不得意
・糖質の消化吸収が得意/不得意
・脂質の消化吸収が得意/不得意
と言う違いがあるのもまた自然です。

そして、何を食べたとしても、
食べると言う刺激に伴って、
「消化酵素」は分泌されるのです。
もちろん、蛋白質か糖質か油脂かで
消化酵素の分泌傾向は変わります。

「外から『食物酵素』が来るから」
と消化酵素の分泌が少なくなったり、
無くなったりすることは無いのです。

「食物酵素」が消化酵素を節約する?

では、
「食物酵素」は体内で
有効に働くのでしょうか?

ある程度は働くでしょう。

大根おろしを焼き魚と一緒に
食べることでなんとなく
スッキリすることもあります。

酵素の重要な性質があります。
・至適温度
・至適pH(酸・アルカリ)
と言うのが各酵素により
厳密にあるので、
その酵素に適した環境で無い限りは
触媒としての活性は極端に落ち
極端な温度やpHにより
蛋白質が変性するのと同様に
アミノ酸の塊になってしまいます。

人間が何かを口にした場合、
口から食道を通り、最初に入る
胃は塩酸主体の胃液を分泌しており、
ほとんどの蛋白質が変性失活する様な環境です。

蛋白質分解酵素を含む植物を
調理過程で使うことで、
肉が柔らかくなったりする
と言うことはありますが、
それを口から入れたところで
本当に消化管内で酵素として
働くのか、は疑わしいとしか
言えません。

誰もが認める事実として、
口から外来酵素を入れると、
殆どは消化吸収過程で失活し、
アミノ酸供給源となる
と言うことです。

確かに「酵素」は大切です

とは言え、
生きていくために
「酵素」は大切なことは事実です。

極端な高温下、低温下で
ほとんどの生命体は
生きられないのです。
(極一部の特殊な生命体は除きます)

ただし、それは
「自前の酵素」である
ことが大前提です。

 

発酵食品や酵素ドリンクの効果は?

では、
発酵食品や酵素ドリンクは
意味がない
のでしょうか?

「潜在酵素」の節約
と言う意味では意味がない
と考えるのが科学的です。

では、食べる必要が無い?

酵素ドリンクも発酵食品の一種
ですので、発酵食品全体として
話をさせて頂きますと、
元々の食材に含まれる栄養分が
発酵に関係する微生物により
細かく分解されることで、
人間では消化できない成分も
吸収出来る様な有用成分に
変わったり、
微生物自体が腸内環境に
良好な影響を与えます。

加えて、
含まれている酵素は
消化過程を経て、
アミノ酸源として働く
ことは誰もが認めることです。

まとめると、発酵食品の利点は
・材料の栄養成分の吸収を良くする
・腸内環境を改善する
・アミノ酸補給
となります。

非加熱/低温調理は善、加熱料理は悪?

これもよく話題になります。

ビタミンの一部などは
熱に弱い為、非加熱調理で
摂取することで有効に取り込める
と言うことは事実です。

しかし、加熱することで
・細胞壁を壊すことで
 生では吸収率が低い栄養成分の
 吸収率を高められる

・脂溶性ビタミンは
 油調理をすることで
 吸収率が上がる

・食中毒の原因となる
 細菌や寄生虫を死滅させられる
 (耐熱毒素は残存するので要注意)

と言う様な効果があります。

加熱料理されたものばかりでは、
熱に弱いビタミンは不足するでしょう。

しかし、非加熱の生食ばかりでも
別の栄養素は吸収率が低く、
不足するリスクが高いのです。
加えて食中毒や寄生虫感染の
リスクも出てきます。

正しい知識をもって正しい習慣を
取り入れましょう。

あなたも出来ることから
はじめてみませんか?

もし
ご自身に合う方法を見つけたい、
望む結果を早く出したい、
と言う場合には、
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