【赤肉(red meat)とは?】

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。

赤肉(red meat)や加工肉製品は、
大腸癌や死亡リスクを高めると言う情報から、
赤い牛肉よりは見た目白っぽい豚肉にしたり、
霜降り肉やホルモンの鉄板焼きや焼き肉を
食べる様にしてると言う方もいたりして。

確かに分かりにくい用語ですよね。
赤肉(red meat)と言う表現は
肉眼的に赤く見える哺乳動物肉の総称で、
栄養学や疫学で使われる業界用語です。

厳密に何の肉を指すのかについては、
共通した明確な定義は無いようですが、
牛、豚、羊、馬、山羊などの肉を指す事が
多い様です。

鴨肉や鰹肉や鮪肉は赤いじゃないか!
と言う方も居るかと思いますが、
基本的に鳥類や魚介類は含まない、
と言うのが慣習的な意味合いです。

鯨は哺乳類で肉眼的に赤い肉なので、
赤肉に含まれると言う意見もあります。
定義通りに判断すれば含んで良いですが、
そもそも厳密な定義が存在しませんし、
鯨肉を大量に常食する人はいないので
多くの場合は想定されてない気がします。

日本には脂肪分の低い部位を
「赤身肉」と呼びますので混乱しますが、
全く違う概念なので、
内臓肉やサシの多い肉を食べてるから
害が無い訳ではありません(笑)

赤肉(red meat)の摂取量が多い
米国のコホート研究においては、
癌や循環器疾患による高死亡率や
寿命の短さとの相関があると報告され、
健康の為には赤肉を避けましょう、
と言う事が言われます。

一方で赤肉(red meat)摂取量が低い
アジアにおける研究報告では、
むしろ赤肉の摂取量が多い方が、
癌や循環器疾患による死亡の低リスク、
長寿命との相関が示されており、
健康長寿の為には赤肉を食べましょう、
と言うことになってしまいます。

ドッチが正しいのよ?ハッキリしてよ!
と思う方もいらっしゃるでしょうが、
どちらも正しい事を言っているのだと
言う理解をした方が良さそうです。

どう言う事かと言いますと赤肉には、
蛋白質だけでなくビタミン・ミネラル類が
含まれており健康に有用な側面もありますが、
飽和脂肪酸の主な摂取源である事から、
多過ぎると動脈硬化の要因となり
心筋梗塞のリスクを高めることに なりますが、
少な過ぎると血管壁が脆弱になり
脳出血など出血性疾患のリスクを高める、
と言うことが分かっていますので、
多過ぎても少な過ぎても良くない、
と言う様な事が正確なのかも知れません。

そういう意味では、
サシの多い肉や脂身の多いホルモンを
日常的に多食する事はオススメしません。

赤肉・加工肉による大腸癌リスク増加の
因果関係については様々な可能性が
示唆されていますが詳細は不明です。

加工肉については添加物が影響する、
として無添加の昔ながらの加工肉ならば
害は低いと言う主張もありますが、
単純に消費量が多くなると
材料の赤肉や飽和脂肪酸による害が出るだけ
なのかも含め詳細は不明なのが現実です。

国際的には、
赤肉は調理後重量で週500g以内、
加工肉はできるだけ控えるように、
と勧告されています。

調理後の重量で週500gとは、
生肉換算すると週約600gであり、
1日平均約90g程度となります。

日本人の赤肉や加工肉の平均摂取量は、
2013年の国民健康・栄養調査によると、
牛・豚肉の合計で約50g/日、
ハム・ソーセージ類で約13g/日
となっています。

赤肉や飽和脂肪酸の摂取量が少なく、
心筋梗塞よりも出血性病変が多い集団において は、
赤肉や飽和脂肪酸の意識的な摂取が
血管壁を強くし脳出血などを減らし、
総合的に健康に良い効果をもたらし、
欧米並みに赤肉や加工肉製品を摂取し、
動脈硬化や心筋梗塞が多い集団においては、
勧告に合わせる様な形で控えた方が、
心筋梗塞のリスクを下げる
という事なのかと思います。

極端な理論は懐疑的な視点から
一歩引いて分析した方が良いですし、
食事や運動と病気や健康の相関情報も、
どの様な食事内容の集団が対象なのか、
と言う事を考えないと、
全く逆に見えるアドバイスを理解するのは
難しいですし、
どちらが合ってる間違ってると
いくら議論しても不毛な議論になります。

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