【生理的心拍変動】

こんにちは、Dr.Kです。

皆さんの心臓は日々休まずに
動き続けていますよね。
意識して動かさないと止まっちゃう、
なんて人や生物はいない訳です。

基本的には心臓を構成する
心筋細胞は定期的に収縮すると言う
性質があり、塊になると同調します。
心臓と言う組織になると、
定期的な刺激を発する部位から
収縮を促す電気信号が出ます。

そしてその強さや頻度は、
自律神経系によりコントロール
されています。
運動したり緊張すると、
脈が速くなると言うことは
多くの方が経験されていますよね。

では呼吸のたびに
心拍間隔が変動している、
と言ったら感じたことある、
と言う人はいますか?

息を吸う時には胸郭内圧が高まり、
同時に心拍間隔は微妙に短くなり、
息を吐く時には胸郭内圧が低くなり、
同時に心拍間隔は微妙に長くなる。
コレを「生理的心拍変動」と言います。

交感神経優位で緊張していると、
この変動幅が小さくなりほとんどない
と言うこともあります。

逆に副交感神経優位でリラックスしていると、
変動幅は大きくなるのです。

コレを利用して
「緊張度」を測定することが出来ます。

最近のスマートウォッチなどでは
コレを利用して緊張具合を判断し、
「深呼吸しましょう」と言う様な
アドバイスを表示してくれたりします。

カナダの研究ですが、
緊急通報(日本で言う110や119)の一次対応者
を対象とした研究では、
通報を受けた瞬間に緊張は最高となり、
それが安静状態となるまでに
平均約4時間かかると言うことが分かっています。

通報間隔が4時間以上開くことは
ほとんどないですから、
対応者達は常に緊張状態にあることを
強いられていることになります。

ところが、ある対処法の訓練を
1ヶ月に渡って行いストレス時に
使いこなせる様になってから
職場に復帰させた人達は、
通報受信時の緊張状態から安静まで
平均約3分で戻ったそうです。

どんな凄いトレーニングだと
思いますか?


•目を閉じます。
•腹式呼吸をユックリ行います。
•呼吸に集中します。
これだけです。

あなたも究極のリラックス法を
マスターしましたね。

補足しておくと、ユックリ吐くことで
より副交感神経優位になりやすいです。
身体の姿勢を良くすることと、
脱力を心がけることも大切です。

うまくリラックスできると、
指先が軽く痺れた様なビリビリ感や
温かい感じがする場合がありますが、
問題ありません。

慣れてきたらよりユックリ
呼吸をする様にしましょう。
ヨガの達人の場合には、
1分間に1回の呼吸を行う方も
いるそうです。(^◇^;)
無理して真似する必要は無いです。

心拍変動が回復するとともに、
心拍数も安静時の数値になってきます。

緊急通報を受ける仕事で無くても、
常にストレス状態にある現代社会では、
この様な対処法を数分間行うだけでも
その後の体調にかなり変化が出て来ます。

コレを「瞑想」と呼ぶ方もいるでしょうが、
ヨガの瞑想修法の中の「調息法」のひとつに
過ぎませんのでココではそう呼びません。
呼び方はお好きな様になさって下さい。

ストレスケアとして習慣化してきて
「瞑想」をやってみたいな、と言う
気持ちになってきた場合には、
改めてご相談下さい。