あまくない砂糖の話

2018年5月2日

こんにちは。

ヘルスコンサルタント
宮崎 光史です!

現在読んでいる本にて
あるドキュメンタリー映画が
紹介されていました。

2014年公開のThat Sugar Film
トレイラー動画:https://vimeo.com/237186065
2016年公開の邦題は「あまくない砂糖の話

簡単に内容の紹介と感想を書かせて頂きます。

気になった方は是非、
Netflix、Amazon prime、iTunes
等オンラインで観ることも出来ます。
レンタルも出来ますので、観てみて下さい。

監督さんが映画を作った理由

監督はオーストラリア人俳優
Damon Gameau 氏

彼は若い頃は煙草を吸い
砂糖を使ったお菓子や加工食品も
多く食べていましたが、
健康意識の高い奥様と
お付き合いするにあたって
気に入られたい一心で、
煙草も砂糖もやめて、
健康的な食事と定期的な運動
をすることで健康的になった。

と言うことなんですが、

砂糖については
・万病の元
・健康被害と直接因果関係は認められない
・砂糖は脳のエネルギー源として必須
の様な情報が錯綜しており、
真実は何なのか?
と思っていたとのこと。

奥さんの妊娠をキッカケに、
専門家の協力を得て、
オーストラリア人が平均的に
摂取しているとされる
スプーン40杯/日(≒160g/日)
の糖質 Sugarが含まれる食べ物を
2ヶ月間食べてみて、
自分の身体で検証してみた、
と言う映画です。

途中、なんとX-menの「ウルヴァリン」
で有名なHugh Jackman 氏が
友情出演?的な感じで出て来ます!

健康的なイメージのある食事で実験!

ここで大切なのは、
それらが全て
・低脂肪
100%天然、無添加
・健康的
と謳われる「ヘルシー」なイメージの
シリアルやヨーグルト、ジュース等の
加工食品で達成されている
と言うことです。

実際始めてみると
ファーストフードやジャンクフード、
砂糖入り炭酸飲料
は敢えて摂る必要すら無かった
と言います。

御本人も意図してなかった様ですが、
・健康的な食事
・砂糖160g入の食事
は摂取カロリーはほぼ同じ
だったとのことで、
カロリー神話が如何に無意味か
が改めて示されています。

実験開始から
1ヶ月で体重は6kg増加し
脂肪肝になっていきます。
協力した専門家は
その悪化の速度に驚愕
するほどでした。

飲酒をしないオーストラリア原住民
アボリジニの村に、近代化と称して
砂糖を含む加工食品が入ったこと
による病気の蔓延と低年齢死
についても触れられています。

その対策は公共予算にて援助が出るほどの
ムーブメントになりましたが、
その後なぜか予算中止となった
とのことで栄養士も撤退。

教育の機会が失われ、
糖質が含まれる加工食品を
摂取する機会も増えている
とのことでした。

糖質の都、USA!

途中から彼は「糖質の本場」
アメリカに渡ると、

1日160gと言う条件は相当な
食事制限をしないと軽く超えて
しまう事実に驚愕します。

とある田舎町での
子供の頃から哺乳瓶でミルク代わりに
砂糖とカフェインのタップリ入った
炭酸飲料を飲ませる習慣の末、
1日6-12缶は普通に消費し、
歯が殆ど溶けて無くなっている
ティーンエイジャーにも遭遇します。

極端な例ではありますが、
ドン・キホーテなどで
お菓子を喜々として買っている
方々には是非この映像を
ご覧頂きたいと思いました。

砂糖に関する研究と企業

砂糖と健康被害には
直接関係が無いとする研究には
砂糖入り加工食品の大手企業からの
資金提供で為されているもの
ばかり、と言う事実にも触れられます。

研究内容に口出しや制限は無い、
とは研究者は主張しますが、
スポンサーの都合の悪い様な
内容に出来ないだろうことは
容易に想像出来ますよね。

そして、フレーバーや砂糖の
含有量を決める方法まで。

微妙に含有量や配合バランスを
変えた試作品を多くの人に
飲んでもらい、
・もっとも美味しいと感じ
・また飲みたいと中毒性が強い
ギリギリのラインを決定するとのこと。

煙草や麻薬以上とも言われる
中毒性について十分理解した
上での方法であることが
分かりますよね。

砂糖の代替品「ぶどう糖果糖液糖」

炭酸飲料等に良く使われる
「ブドウ糖果糖液糖」
異性化糖とも言われることがありますが、
大量に余ったトウモロコシの
「有効活用法」として安価に作られる
砂糖の代用品です。

砂糖の害が言われる様になり、
メーカーは砂糖とは別物、
と主張していたそうですが、
果糖が肝臓で直接中性脂肪になり、
過剰なブドウ糖に反応して
分泌されるインスリンの作用で、
その中性脂肪が消費されること無く
蓄積されていくと言う害が
指摘される様になると、
無害な砂糖と本質的に同じモノだ、
と主張する様になった、とは
ネタなのかと疑いたくなりました。

サッと読んでしまった方へ。
果糖は肝臓で直接中性脂肪に
変わりますので、血糖値には
影響は少ないですが、
脂肪肝の原因になりやすいです。
特に過剰なブドウ糖と合わせると
中性脂肪の害は大きくなります。

もちろん、過剰なブドウ糖は
血糖値を直接乱高下させて
インスリン分泌を大量にさせ
・膵臓を疲弊させる
・細胞のインスリン受容体の感受性が悪くなる
・細胞内へ取り込まれたブドウ糖が
中性脂肪へ変換される
と言う影響もありますので、
過剰なブドウ糖摂取はやめましょう。

意識してブドウ糖や砂糖を
摂らなくても、食事から
必要十分な量は摂取出来ます。

砂糖含有加工品の代わりに
含有しているのと同じ量の砂糖を
食事にかけたり入れたりして
食べるシーンは、まさに俳優が
身体を張ったシーンでした。

とりあえず習慣としていた運動は
続けていた様ですが、
食事内容が変わっただけで、
体重と腹囲が増え、気力にも影響を
与えていましたので、
運動だけで痩せそうと言うのが
如何に意味の無い事かが
分かります。

しっかりエネルギー源としての
糖分や炭水化物を摂らないと、
筋肉が分解されてしまう、
と言う話も聞いたことがある
人があるかも知れません。

それは間違ってはいません。
体脂肪ゼロの人ならね。

体脂肪がゼロでは無い
あなたには無関係です。

本当に糖分からのエネルギーが
少ない時には、
まずは溜め込んだ脂肪を
分解してエネルギーを取り出す
仕組み(と言うかその為に
身体が溜め込んでいる)です。

炭水化物=隠れた砂糖

ちなみに、
消化過程で砂糖になる炭水化物も
砂糖と同じ様に捉えて間違いは
ありません。

小麦粉、白米
そして根菜類、特に芋です。

砂糖に関しては、
茶色も白も
大きな違いはありません。
果糖 Fluctoseとブドウ糖 Glucoseが結合した
ショ糖 Sucloseの塊と言うことです。

人工甘味料については
避けたほうが良いでしょう。

「ダイエット○○」は
手を出さない様に。

唯一、ステビアは安全性が
高いと言われていますけどね。

食物繊維やビタミン・ミネラルが
豊富だからと、玄米や全粒穀物、
雑穀などはしっかり摂って良いと
言われる方もいらっしゃいますが、
含まれている炭水化物は
ブドウ糖と果糖になるのは事実。

全粒穀物をしっかり噛んで
食べる習慣があれば、
食べ過ぎる前に満足感が
出て来るとは思いますが、
食べ過ぎない様にしましょう。

どうしても炭水化物を摂るのであれば、
食べる順番を血糖値が急激に
上がらない様に工夫するとともに、
食べ過ぎに気をつけましょう。
具体的には、
炭水化物以外の野菜や肉を
食べてから、少量の炭水化物を
摂るようにすることで、
血糖値の急上昇を抑えられます。

脂肪肝や内臓脂肪蓄積は可逆的

そして、最後に60日間の実験を
終えた監督は、砂糖を断ち、
元々の食事に戻します。

最初の数週間は、煙草や麻薬と
同様に禁断症状の様な渇望が
沸き起こり、睡眠障害や気力低下
があった様ですが、
2週間を超えた辺りからピタッと
治まったとのことです。

そして、脂肪肝も改善、
内臓脂肪も激減し、
元通りとなったとのこと。

そう、大切なのはココです。

既に肥満や脂肪肝がある方。
事実を知った時からでも、
スタートをすれば、
過去の過ちによる結果を
改善させられるのです。

・良質な野菜(果物、芋は控えめに!)
・良質な脂質(アボカド、ナッツ等)や蛋白質
をしっかり摂り、
加工食品や砂糖を使った料理は
避ける様にしましょう。

いきなりそれは無理?

であれば、砂糖それ自体を
食べる機会を減らしましょう。

出来ることから
始めてみませんか?