【アブラについて2018その2−不飽和脂肪酸−】

こんにちは!

ヘルスドクター
健康実践支援専門医師
宮崎 光史です。

前回は
・栄養素とアブラ
・脂肪酸の種類
についてお話しました。

今回は「不飽和脂肪酸」
についてお話させて頂きます。

不飽和脂肪酸の分類

不飽和脂肪酸の分類については
前回お話しましたが、覚えていますか?

健康と食事に関係するモノとしては、
ω3、ω6、ω9の三種類でしたね。

これも、それぞれの種類のなかに
様々な脂肪酸があります。

そして、ヒトは生理学的に
脂肪酸を変換するある酵素が無い為、
ω3とω6の脂肪酸は外から摂る必要が
あります

最近、多価不飽和脂肪酸
(英語表記の頭文字を取りPUFAとも
呼ばれますが、ω3とω6のこと)は
必須では無く摂る必要が無い、
むしろ酸化しやすく諸悪の根源である、
と言う説を唱える方もいる様です。

真実はどうなのかの言及はしませんが、
もしPUFA不要説が本当であれば、
「生きるために酸素は不要」
「生きるために水は不要」
と言っているくらい、
生化学の常識を覆すことなのです。

「必須脂肪酸が必須では無い」ことが
証明されれば、ノーベル賞どころの
騒ぎでは無く、世界がひっくり返るのです。

前回の話で述べましたが、
・トリグリセリド(≒中性脂肪)
・リン脂質(細胞膜構成物)
を構成している脂肪酸には
様々なモノがあります

動物性食品の中性脂肪や細胞膜、
ω9が多い植物性食品にも
ω3やω6はある程度含まれている
と言う事実があります。

ですから、
アマニやエゴマ、魚介類など
ω3を比較的多く含む食材を
一切食べなくても生きているから
PUFA不要、とは言い切れない
ので、注意して下さい。

話が逸れてしまいました。

ω3とω6の必要性と関係性

ω3、ω6はどちらも
ヒトが生きていく上で
外から摂らなくてはいけない
必須脂肪酸です。

ω3:α-リノレン酸→EPA、DHAなど
ω6:リノール酸→γ−リノレン酸、アラキドン酸など
(だいぶ簡略化してます)
とそれぞれの代謝過程を経ますが、
その代謝過程で必要な酵素が共通しており、
片方が多くなると競合してしまい
もう片方の代謝速度が遅くなる
と言う関係があります。

理想的な摂取バランスは、
ω3:ω6=1:2−4と言われています。

そして、ω3とω6はヒトの体内では
変換出来ない為、どちらも必要なのです。

ω3のEPA、ω6のアラキドン酸から、
生理活性物質の
・プロスタグランジン
・ロイコトリエン
・トロンボキサン
(それぞれ多くの種類が特定されています)
などが合成されますが、これらが
・炎症
・血液凝固
などに深く関わってきます。

ω3から合成されるモノは炎症抑制
ω6から合成されるモノは炎症亢進
働きます。

先ほど書いた様に、
変換酵素が共通していると言うことも、
ω3の代謝が行われることで
ω6代謝を競合抑制し、炎症亢進を抑える、
と言う側面もあります

現代の食環境では、
ω3:ω6=1:20−40
とω6が理想バランスの10倍にも
なっていると言われています。

ですから、
・ω6不飽和脂肪酸を多く含む植物油を控える
・ω3不飽和脂肪酸を意識して摂取する。
と言うことが大切になるのです。

酸化脂肪酸の危険性

ただし、注意しないといけないのは、
ω3にせよω6にせよ酸化したアブラは
体内において悪影響があります。

具体的に言うと、
遊離脂肪酸→脂肪酸ラジカル→
過酸化脂肪酸ラジカル→過酸化脂質(アルデヒド類など)
と言う過程で酸化が進み、
発生した過酸化脂質がDNAや細胞に
慢性的な酸化刺激を与えることで、
発がん性を示すと言う報告もあります。

ですから、アブラは可能な限り酸化しない状態で
摂ることが必要になります。

アブラの酸化を避けるには

液状オイルの状態で保存をしておくと、
徐々に酸化が進みます。

どの時点で有害物質が発生しているのかは
油の種類や状態など様々な要因で変わります。

食べる前の油の酸化に大きな影響を与えるのは、
空気中の酸素や温度とされています。
0℃以下でも酸化は進みますし、
10℃上昇すると2倍の速度で酸化する
とも言われます。

【酸化が疑われる指標】
・加熱時に煙が出た
・油に新鮮な時より粘りが出てきた
・泡が新鮮な時より消えにくくなった
・色が褐色になってきた
・嫌な臭いがしてきた

こうなってくると酸化している
可能性が大きいです。

ですので、加熱調理をする場合、
加熱に耐えられる油を選ぶことも
大切になってきます。
・オリーブオイル
・ココナッツオイル
・アボカドオイル
などは加熱調理に向いている
と言われていますが、それでも
上記指標への注意と
下記保存法や使い方

も大切になります。

また、油の保存方法や使い方も
注意しましょう。

・できるだけ空気に触れさせない
・遮光ガラスボトルなどに入れ、
 光が当たらないようにする

・冷暗所に置き、熱を避ける
・繰り返し使用を避ける
・湿度が高いところでの保存は避ける
・古い油に新しい油を継ぎ足さない

と言うことを注意するだけで
かなり変わってきます。

そして、
避けられなかった酸化脂質や
体内で発生した酸化物質の悪影響を
最小限にする為に、
食べ物から摂る抗酸化物質が有効
と言われています。

前回の栄養でお話しした、
ファイトケミカル:ベータカロテン、リコピンなど
ビタミン:ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなど
ですね。

植物の実などを搾っただけの状態のオイル、
いわゆるエキストラバージンのオイル
であれば、この様な成分も含まれたまま
ですので、更に酸化しにくいと言えます。

ただ、ファイトケミカル等が
独特の風味をもたらす為、
苦手な方は適切な精製過程を経た
オイルを使用しても良いと思います。

また、オイルを含む食材を搾らずに
まるごと食べると言うのもありです。

魚介類をそのまま調理するのであれば
通常の加熱調理では
含まれる脂肪酸は問題となるほど
酸化されないと言う報告もあります。

エゴマやアマニなどの種子類の場合は
消化吸収しやすい様に、
使用直前にすり潰してから
加熱せずに摂るのが良いかと思います。

 

魚に含まれるω3オイルの源である、
藻類やオキアミ(クリル)類なども
優良な摂取源となり得ると思います。

 

藻類にはスピルリナ、ユーグレナ、
クロレラ、ナンノクロロプシス、
などがあります。

 

藻類のサプリメントは、
オイル以外の栄養成分も優秀なので、
培養した藻類をパウダー状、
あるいはタブレット状に加工した
シンプルなモノが多いです。

 

クロレラはその中で細胞壁が硬い為、
適切な処理がされた消化吸収率を
意識したサプリメントを使って下さい。

 

ナンノクロロプシスはEPA含有量が
他の藻類と比較して非常に多く、
その他の栄養成分バランスも
優れていますので、
個人的に注目しています。

 

オキアミ(クリル)については、
サプリメント化されているモノも
ありますが、酸化に注意して下さい。
普通に食材として利用しても、
優秀な抗酸化物質であるアスタキサンチン
も含まれますので良いと思います。
入手がやや難しいかも知れませんが(^_^;)

次回は、「飽和脂肪酸」についてです!

【アブラについて2018その1−栄養素と脂肪酸−】

こんにちは!

ヘルスドクター
健康実践支援専門医師
宮崎 光史です。

突然ですが質問です。
「アブラ」と言うと
何を思い浮かべますか?

石油?
ガソリン?
揚げ物に使うオイル?
お肉の脂身やサシ?
お腹まわりについてるもの?

様々なモノがありますね。

アブラ全般については、
それだけで年間講義が出来るくらい
大変な分量になります。

今回は「健康に重要なアブラ」について、
かなり分かりやすくした形で
ご紹介したいと思います。

細かい構造式などは省きます。
慣れない用語もあるかと思いますが、
大きな形を理解して頂ければ
大丈夫です。

長くなってしまったんで、
今回は「その1」として
「栄養素としてのアブラ」
「脂肪酸の分類」
についてお話させて頂きますね。

このblogでは以前にも、
・必須脂肪酸
・オメガ3やオメガ6
についての記事がありますので、
そちらも参考にしてみて下さいね。

食事に含まれる栄養素

食事に含まれる栄養素には
何が含まれるかご存知ですか?

【3大栄養素】

・タンパク質
・脂質
・炭水化物(糖質と認識した方が良い)
※発見当時の技術ではこの3種類の検出が限界であり、
 これが食物中の全栄養素と認識されていました。
※身体構成成分としてタンパク質、脂質は必須栄養素です。
 タンパク質、脂質については個人差はありますが、一度の
 消化吸収量に限界があり、吸収出来ない分は排泄されます
 糖質はエネルギー源として重要ですが体内合成が可能で、
 「必須栄養素」では無い上にほとんどの人で消化吸収率が
 高く、余剰分は中性脂肪として蓄えられるので、
 適正量に留める必要があります。
※厳密に言うと、炭水化物=食物繊維+糖質ですので、
 「糖質」と言う方が正確ですが、
 栄養学上は食物繊維も含めた意味を持って
 3大栄養素「炭水化物」として表現されることはありません。

【5大栄養素:上記3つに以下の2つを加えた総称】

・ビタミン
・ミネラル
※技術の発展により検出可能となり、
 3大栄養素に加えて、
 微量ですがこれらが生命活動にとって
 大事と言うことが分かってきました。
※これらの存在や機能が特定されるまでは、
 ビタミン欠乏やミネラル欠乏は、
 風土病や感染症などと言われていたのです。

【7大栄養素:上記5つに以下の2つを加えた総称】

・食物繊維
・ファイトケミカル(植物栄養素)
※つい最近まで、食物繊維は
 「消化されない余計な残りカス」
 「便をかさ増しし便通を整える」
 程度にしか認識されていませんでしたが、
 腸内細菌叢を構成する細菌のバランスを
 整えたり、その細菌による代謝産物が
 腸粘膜の健康維持に役立っていることが
 分かってきています。
※更に、植物が厳しい環境に耐える為に
 創り出した物質(ファイトケミカル)に
 抗炎症作用や抗がん作用が
 認められることが分かり、第7の栄養素
 として研究が進められています。

上記の各栄養の詳細については
過去記事を参照して頂くか、
また別の機会にお話しますね。

食事に含まれるアブラ

さて、上記の様な食事に含まれる
栄養素のひとつである「脂質」ですが、
分子構造の特徴から大きくふたつの種類に分けられます。

・飽和脂肪酸
・不飽和脂肪酸

飽和脂肪酸

脂肪酸は炭素原子が
鎖状につながる構造をしていますが、
飽和脂肪酸は、
炭素同士の結合に二重結合が無いもの
です。特徴としては、
「常温で固体である」
「酸化しにくい」
です。

その炭素鎖の長さで
・短鎖(Short Chain):炭素が7個以下繋がったもの
・中鎖(Midium Chain):炭素が8-12個繋がったもの
・長鎖(Long Chain):炭素が13個以上繋がったもの
※統一基準が無く微妙に異なる定義もあります
と分類されます。

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は、
炭素同士の結合に二重結合があるもの
で、特徴としては
「常温で液体である」
「酸化する」
です。

不飽和脂肪酸については、
二重結合を持つ炭素原子が末端から何個目かによって
分類がありますが、食事と健康について話す際には、
以下の3種類が特に大切です。
ω3:炭素間二重結合が多い
  3種の中でもっとも酸化しやすい
ω6:炭素間二重結合が数箇所
  3種の中でやや酸化しやすい
ω9:炭素間二重結合がひとつ
  3種の中ではもっとも酸化しにくい
※ω(おめが)では無く、n-3と言う表記法もありますが
 意味は同じです。

生体内での脂肪酸

そして、ここからが大切なんですが、
生体内で常に「脂肪酸」単体で存在
しているわけではありません。

飽和脂肪酸も不飽和脂肪酸も
動物においても植物においても生体内では
グリセリンに脂肪酸が結合した
中性脂肪(neutral fat)と言う形で
蓄積されることが多いです。

脂肪酸の結合数によって、
グリセリン+脂肪酸1個=モノグリセリド
グリセリン+脂肪酸2個=ジグリセリド
グリセリン+脂肪酸3個=トリグリセリド
が存在しますが、動物血液中には
ほとんどトリグリセリドしか存在せず、
中性脂肪≒トリグリセリドと考えても
病気や検査結果などを扱う場合には
問題ありません

トリグリセリドを構成する脂肪酸は一種類では無く
様々な組み合わせが存在します

ですから、動物性食品に含まれる中性脂肪にも
不飽和脂肪酸が含まれていたりするので、
どの様な環境でどの様な食事をした動物なのか
がとても大切になってくるわけです。

また、動物細胞の表面を構成する
細胞膜の構成成分は、「リン脂質」です。

グリセリンやスフィンゴシンを中心骨格として
脂肪酸とリン酸が結合し、
さらにリン酸にアルコールがエステル結合した
構造を持っています。
理解できない方は無視して大丈夫です

簡単に言えば、
親水性のリン酸エステルに
疎水性の脂肪酸が2つ(同じモノとは限らず)
くっついた形です。

疎水性の部分を内側して二重構造を
取ることで、細胞膜の内面と外面は
親水性のリン酸エステルが並んでいます。
脂肪酸やアルコールには様々な種類があるため、
これもまた組み合わせが無数にあります。

そして、この二重膜の中に
タンパク質で出来た構造体が
埋まりこんでおり、
受容体、チャネル、ポンプ
などの様々な機能を担っています。

固定されたプラスチックの様な膜では無く、
柔らかなゼリーの様な膜の上を
かなり流動的に構造体が
動き回っている
イメージ
です。

「細胞膜がしなやか」
「細胞膜が柔らかい」
と言う言い方は、
この流動性が高く保たれている
と言うことを表しています。

健康診断でよく問題となる「コレステロール」
(厳密には問題となるのは運搬形態である
リポ蛋白との複合体)
ですが、この流動性のある
二重膜構造の安定化の為に
大変重要な
物質です。

コレステロールは、
他にもステロイドホルモンの材料
などとしても大変重要ですね。

細胞膜を構成している
リン脂質を構成する脂肪酸に

二重結合が多いほど、
(すなわちω3が多いほど)
炭素骨格が曲がっており
リン脂質同士の相互作用が弱まる為、
細胞膜の流動性がより高くなる
とされています。

この理由の他にも、
炎症のコントロールの為に
ω3とω6のバランスが重要に
なるのですが、
長くなりましたので、
とりあえず今回は
これくらいにしておきますね。

次回は「不飽和脂肪酸」
についてお話したいと思います。

カナダで嗜好用大麻解禁!

こんにちは!

ヘルスドクター
健康実践支援専門医師
宮崎 光史です!

2018年10月17日にカナダにて
年齢制限や所持量、栽培量などの制限は
ありますが、「嗜好用大麻」が
合法化されました。

大麻の用途

大麻には、
・嗜好用
・産業用(繊維やオイル採取用)
・医療用(CBDオイルなど)
などの用途があります。

今回は医療用大麻が
既に合法化されていた
カナダで嗜好用としても
解禁されたとのことです。

現地はなんだか凄い
お祭り騒ぎの様ですが、
「麻薬の合法化」で
犯罪が増えるのでは無いか、
怖いなぁー、と漠然と
感じている方もいれば、

わーい、
カナダに旅行とか移住すれば
大麻合法的に吸えたりするんだ!
と思われている方もいるかと
思います。

しかし、別になんでわざわざ
解禁する必要あるの?
って思う方もいると思います。

大麻取締法

日本では「大麻取締法」と言う法律が
第二次世界大戦終戦後の1948年に
GHQの指示にて作られました。

しかし、不思議なことに
2000年以上前から麻を生活に
取り入れている日本やその他
黄色人種の国々では、
「嗜好用」としてマリファナの様に
使用する文化自体が無かった
んですね。

占領地(日本)で米兵が
嗜好用品として濫用するのを
規制する意味で作られたと言う
説もあるくらいです。

その後、1951年の
サンフランシスコ講和条約の際に
占領下における法律について
見直しがされた際も、
もともと日本人にとって
嗜好用としての認識が無かった為、
規制しててもしてなくても
関係ないと言うことで放置され
残ったとも言われています。

そして、
認可された「栽培者」「研究者」が
「大麻取扱者」として所持や栽培が
認められていることになっていますが、
日本では研究はほとんど行われていません。

国内で行われている研究では
天然のカンナビノイド(麻の成分)では無く、
化学構造式を元に作られた
「合成カンナビノイド」を研究対象と
することがほとんどの様で、
植物として、ハーブの様なものとしての
効用などの研究は一切ありません。

そもそも論ですが、
麻にも種類によって、
精神的作用の強い
テトラヒドロカンナビノール(THC)
という成分が多いものと
ほとんど含まないものがあり、
日本に古くから自生している麻は
ほとんどTHCを含まないものなんですね。

そして、いわゆる覚醒剤や麻薬は
抽出した成分自体を規制しているのに、
大麻取締法については植物を規制した。

これについては、
GHQの大麻規制に関わった白人達にとって、
大麻(マリファナ)はインドなど南方産の
高THC種のイメージしか無かったため、
麻は全てTHCが多く含まれていると
誤解していたから、と言われています。

ですから、
酩酊状態になるTHC成分が含まれていない
種類でも、麻の「栽培」「所持」が違法となる
と言う不思議な状況になっています。

たまに自生している麻が発見されて、
警察などが必死になって刈り取っている
風景がありますが、おそらくあれも
THC成分は含まれていない種類でしょう。

ちなみにですが、
繊維やオイルを使う為の種類は
カンナビス・サティバ・エルと言う種類。
そしてTHCを多く含むインド産のは、
カンナビス・インディカと言う種類だそうですが、
実は国際条約などで規制されている種は
サティバ・エルなのだそうです。

なんだか良く分からない状況ですね。
専門家ですら分からないらしいので、
我々が分かるはずも無いのですが、
「石油業界の陰謀」説もまことしやかに
語られている様です。

医療用大麻とは

そして、昨今芸能人絡みなどで
「医療用大麻」と言うことが
話題にのぼってきます。

これは、カンナビノイド(大麻草の成分)
の中でもカンナビジオール(CBD)と言う成分に
鎮痛作用や鎮静作用があり
難治性疼痛や末期がん患者、不安神経症などに
有効で、THCの様な精神興奮作用は無い
とされています。

ですので、素晴らしい薬として
海外では使用報告もあるのですが、
規制の影響できちんとした研究が
行われていないと言う現状があります。

サプリメントや医療用としてのCBD

「CBDオイル」と言う形での
サプリメントも海外にあり、
日本でも個人輸入して使用される
ケースがあります。

では、これは大麻取締法の対象
なのでしょうか?
「大麻取締法」で取り締まっているのは
「成分」では無く「草」の「部位」です。

具体的に言うと、
「大麻草及びその製品を言う。
ただし、大麻草の成熟した
茎及びその製品並びに
大麻草の種子及びその製品を除く」
と言うことです。

と言うことは、
成熟した大麻草の茎ではなく、
葉や花穂から抽出されたCBD含有製品は
例えTHCが含まれなくても

現行の大麻取締法に抵触する
と言うことです。

日本人はカナダで大麻嗜好品利用が出来るのか

結論から言うと出来ません

誰もがお分かりの様に
・日本国内への持ち込み
・日本国内での嗜好品としての利用
(利用する際には所持してることが前提の論理ですが)

は日本人でも外国人でも
大麻取締法の対象になります。

もちろん、
嗜好品利用が合法である渡航先で
利用することは現地の法律では可能
です。

しかし、
現行の大麻取締法は海外の日本人も
対象にしている為、
・海外にいる日本人旅行者
・海外に移住した日本人
のどちらも対象になるのです。

ですから、
もしカナダやその他の国で
大麻を購入して利用した場合、
理屈的には帰国と同時に
大麻取締法違反として
捕まる可能性があります。

ただ、
「所持は違法」ですが、
「使用は違法とはならない」
と言う不思議な法律ですので、
例え帰国者の体内からTHC成分が
検出されたところで違法とは出来ず、
「海外で所持したこと」が
証明される必要があり、
「他人が所持しているものをちょっと吸った」
「大麻利用者が横にいた」
と言う主張をされれば対象外にせざるを得ない為、

個人的には帰国時の逮捕は
その場で所持していなければ
事実上不可能とも思います。

大麻規制の今後

CBD、いわゆる
医療用大麻成分については
今後の議論が待たれますが、
近い将来には日本国内でも
利用可能となるかも知れません。

しかし、その際には、
・成熟した茎
・種子
以外から抽出したものであれば、
所持した段階で違法となります。

ですので、
CBDを含む製品を
国内で販売する業者は、
大麻取締法対策として

「この製品に含まれるCBDは○○種(麻の種類)の成熟した茎/種子(部位)由来です」
「この製品に含まれるCBDは○○を原料とした化学合成物質です」
と言うことを明記しておく必要があります。

 

国内でCBD製品が利用可能となる時には
THCを含む草や製品に限った規制にする
などの大麻取締法の見直しや廃止などを
行わないといけない様にも感じます。

麻薬や覚醒剤の利用者により、
利用時の幻覚や錯乱状態などで、
あるいは断薬中のフラッシュバックなどで、
犯罪が起こっていると言うイメージが
あるかと思いますが、
そもそも
大麻の精神作用による犯罪は無い
と言うのも事実である様です。

覚せい剤や麻薬へと誘導させる
闇取引絡みの暴力や殺人は

当然起こっていますが。

こう言うことをやっている
犯罪組織の資金源を絶ち、
犯罪を減らすと言うのも
今回のカナダでの解禁の理由の
ひとつの様ですね。

いずれにせよ、我々の先人、
黄色人種には無かった
嗜好品(マリファナ)利用と言う習慣
については、正しい知識を知った上で
改めて議論した方が良いのでは
無いかと思います。

ちなみにですが、
タバコ属の植物は栽培や所持は
規制されていませんが、
「たばこ事業法」にて、
タバコの葉を加工して
「喫煙する為の製造たばこ」を
日本たばこ産業株式会社(JT)以外が
作ることが違法となっています。

面白いですね。

正しいデトックスの知識とは

こんにちは!

ヘルスドクター
健康実践支援専門医師
宮崎 光史です。

しばらくご無沙汰してました。
申し訳ありません。(^_^;)

メンターである
Dr. Isaac JonesとDr.Matthew Accursoの
今年のプログラムをサポートしており、
彼らが米国にて実際に使用している
マニュアルを日本語化しております。

その中に、
とても大切な考えがありましたので、
共有させて頂きたいと思います。

デトックスとは

「デトックス」って聞いたことありますか?
日本語だと「解毒」「排毒」と言う感じでしょうか。
「身体に良くないものを出す」
と言うことですね。

では、「身体によくないもの」って
一体なんでしょう?

・様々な化学物質(家具などに使用される溶剤 、食品添加物など)
・病原微生物や病原微生物が放出する毒素
・個人的に身体に合わない天然物質
などですね。

では、デトックスをする為には
どうすれば良いでしょうか?

デトックスの方法

細かい方法論や使用するものは
たくさんありますが、
ザックリ言ってしまえば、
・身体に良くないものを入れない
・身体に良くないものを出す
と言うふたつのやり方があります。

一般的に「デトックス」と言うと、
特定のサプリメントや薬品を利用し、
「身体に悪いものをドバっと出す」
みたいなイメージだと思います。

ただ、それだけでは片手落ちなんですね。

身体に悪いものを入れない

では、身体に悪いものを入れないとは
言っても、何をすればよいのでしょうか?

現代社会の現状では、
・重金属:水銀や鉛など
・カビなどの生物毒
・食品添加物やパーソナルケア用品の添加物
・建築材料や家具、生活用品に含まれる化学物質
・自分がアレルギー反応を起こす食材や花粉など
などなどがあります。

理想的にはこれらを完全に
入れないことが出来れば良いですが、
現実的には不可能ですし、
北極や南極の様なところへ行っても、
実は様々な化学物質汚染がありますし、
宇宙空間へ行っても同じことです。

加えて言うと、
完全無菌の環境は、
逆に免疫機能などに
問題を起こします。

ですので、
可能な限り避ける
と言うのが一番の対策になります。

と言うかそれしか出来ませんよね。

身体に悪いものを出す

では、身体に悪いものを出すには、
どうすればよいのでしょうか?

特殊な薬剤を用いた
デトックスも場合によっては
必要になりますが、
日常的に一般人がする
ものではありませんよね。

身体から毒素を排出する機構としては、
・排便
・排尿
・発汗
・毛髪、皮膚など
と言うものがあります。

便からは約75%
尿からは約20%
汗からは約3%
毛髪などは約2%
と言われています。

ただ、汗はほとんど水分で
排毒効果は無い、と言う
専門家もいます。

発汗する習慣を続けることは
デトックスと言うよりも、
精神的なリフレッシュ効果と
言う意味では有効かと思いますが、
デトックス効果への
過度の期待はしない方が
良さそうです。

ですので、
腎不全などで無ければ、
快便快尿を保つ
排便排尿をなるべく我慢しない
と言うのが基本的対策ですね。

一番大切な意識とは…

では、
・なるべく入れない
・快便快尿を保つ
をしていれば大丈夫
なのでしょうか?

基本的にはそうです。

ただ、大切な考え方があります。

毒素の流入流出のバランスです。

どれだけ入れない様にしても、
十分に出せていなければ、
少しずつでも溜まっていきます。

どれだけ出しても
それ以上に入れれば、
これもまた溜まっていきます。

入れるのも出すのも
絶対量だけが重要なのでは無く、
出入りのバランスが大切です。

言われれば当たり前ですが、
あまり日常的に意識していない
方が多いのでは無いかと思います。

出来ることから
始めてみませんか?

もし
ご自身に合う方法を見つけたい、
望む結果を早く出したい、
と言う場合には、
個別面談申込のフォームより
お申込み下さい。

健康に必要な知識を
これから学んでいきながら、
健康に意識の高い人達と
交流をしていきたいと言う方は
オンラインコミュニティ
参加されるのもよいかと思います。

○○と言う健康法は正しいの?

こんにちは!

ヘルスドクター
健康実践支援専門医師
宮崎 光史です。

昔からある
民間療法レベルの
健康法から、
もっともらしい
経験談やデータを伴う
食事法や運動法。

「○○と言う健康法は正しいんですか?」
と言う質問をよく受けます。

メディアでも
ドクター座談会の様な
形式で、正しい/誤りと
判断させる様なイベント
行われています。

ところが、不思議なことに、
・100%正しい
・100%誤っている
と言うことは
ほとんどありません。

その裏には、
「個人によって違う」
と言う事実があります。

そう、
例えすごい体験談があっても、
それがあなた自身に合うかは
医者にも分からないのです。

これは現代医療の症状を和らげる
対症療法についても同じです。

業界標準のガイドラインに
沿った治療をしても、
効果が出る人もいれば、
副作用が強く出てしまう人もいます。

ですから、医師は「絶対」は禁句。
ドラマの様なことは
現実には無いのです。

処方や処置が
ガイドライン的、技術的に完璧でも、
それが患者に正しい効果を
もたらすかは分からないのです。

もちろん、
多くの人に良い効果がある
可能性がある程度高いからこそ
ガイドライン、手技として
確立しているのですが。

もちろん、
多くの人に共通する
科学的事実もあります。
「生きていくには酸素が不可欠」
「生きていくには水が不可欠」
などですね。

では、「人によって違う」
と言うのはなんでしょう?

おおまかに言うと、
・遺伝的体質:代謝/消化酵素の強さやバランスなど
・生活習慣:成長過程の環境、食事など
が違うんですね。

そして、多くの病気は
70-95%が生活習慣が原因
と言われています。

少なくとも現時点では
努力や金でどうにもならない
遺伝的体質は5-30%程度
と言うことです。

今後、
遺伝子操作が容易になれば、
この5-30%もコントロール
出来る様になるのかも
知れませんけどね。

そして、
どの様な生活習慣が良いか
おおまかな傾向は多くの人に
共通していますが、
細かいことは人によって
異なるのが事実なのです。

ですから、
医師などの専門家に聞いても
誰を対象に話をしているのかで、
・正しい
・誤り
と言う判断に差が出るのです。

【先進国現代人に共通する問題例】
・糖質過剰
・蛋白質不足
・微量栄養素欠乏
・脂質バランス不良
・毒性化学物質蓄積
など

現代人に程度の差はあっても
広くアレルギー反応が起きている
可能性があるとされている食材は
皆さんも聞いたこと
あるかも知れませんが、
・小麦:グルテン
・乳製品:カゼイン
・ナス科植物:レクチン
などがありますが、
反応には個人差が大きいですし、
目に見える異常が出ない方がほとんどです。

 

もし
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オイルが身体に合わない…

こんにちは。

ヘルスドクター
健康実践支援専門医師
宮崎 光史です。

「脂質が大切」と言われるけれど…

・細胞膜は脂質で構成されている
・脳の60%程度は脂質
と言うことで
・良質な脂質が大切
と言われる様になりました。

しかし、
脂肪、特に液状オイルを摂ると
下痢をしてしまったりして
「自分にはオイルが合わない」
と言われる方がいます。

特にエネルギー源として注目される
中鎖飽和脂肪酸(MCT)に多い印象です。

 

「脂質が合わない」=「脂質は避ける」べき?

もちろん遺伝的に過敏な体質
と言う面もあるかも知れません。

その場合は精製度の高い液状油を避け、
食物から良質な油を直接摂る必要があります。

しかし、今まで摂っていなかった
ものに身体が慣れていない、
と言うこともあります。

本当に全種類の脂質が摂れないと言う方は
ほとんどいないはずです。
御自身の身体の構成物なのですから。

下痢をしてしまったりする場合は、
まずは半分、四分の一、と減量していき、
下痢をしない量が分かったら、
しばらくその量を継続して摂り、
身体が慣れたら増やしていく、
と言う方法があります。

次に、MCTオイルの様な
特定成分の純度を上げたオイルが
合わない可能性があります。

MCTオイルの原料として使われる
ココナツオイルには、
4種類のMCTが含まれています。

  • ラウリン酸:殺菌作用はあるが、長鎖脂肪酸の様に代謝され脂肪代謝を上げる働きは無い。
  • カプロン酸:脂肪代謝を上げるが、下痢や胸焼けを起こしやすい
  • カプリン酸:脂肪代謝を上げるが、効果が出るまでに時間がかかる
  • カプリル酸:最も早く体内のケトン体レベルを上げ、整腸作用もある

です。

ですので、脂肪代謝を上げる為に
MCTオイルを利用したいけれども
下痢や胸焼けがキツくて無理!
と言う場合は、その主要因とされる
カプロン酸が含まれず
純度の高いカプリル酸製品である
Brain Octane Oil(ブレインオクタンオイル)
と言う商品もあるので、
試してみても良いかと思います。

「カプリル酸」の
サプリメントもあるので、
それを使う方法もあります。

もっと手軽に出来る方法としては、
無理に精製されたMCTオイルを摂るのでは無く、
・精製度の低いエキストラヴァージンココナツオイル
・牧草飼育の牛や山羊などミルクから
 作られたバターやギー(澄ましバター)
利用すると言う方法もあります。

また、ここが大切ですが、
健康の為にMCTオイルは必須ではありません。

身体に合わない場合は無理に
脂質代謝を上げようと思わず、
むしろ良質な必須脂肪酸を
摂ることを意識しましょう。

・魚介類
・ナッツ類
などをうまく活用すると良いです。

必須脂肪酸については過去記事
健康と食事、栄養について
に記載しましたので、
必要な方はご参照下さい。

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「健康は流行?」

こんにちは。

ヘルスドクター
健康実践支援専門医師
宮崎 光史です。

「病気の専門家」である医師も、
実は健康については素人同然です。

テレビに出ていた「神の手」を
持つとされているドクターも、
『パワーサラダ』がブームでしょ
と言う理由で市販のパックサラダを
毎日3食買っていると言うことで
「健康に気遣ったモデル並みの食事」
と賞賛されていました。(^_^;)

アプリで注文してお持ち帰りしている
とのことで、健康に気遣ったお店のもの
かとは思いますので、ドレッシングなども
ある程度は使用オイルや添加物を
気にされているのかも知れません。

確かに
・仕出し弁当
・おにぎりやサンドイッチ
・カップ麺

・ファーストフードの出前
(実は医療関係者はこの様な食事が多いです)
よりははるかに良いですが、
とりあえず野菜が入っていれば
良いわけでも無いのです。

一過性の流行に乗って、
様々な食事を試すことも
悪くはありませんが、
まずは大事な原理原則を
しっかり知らなくては、
メディアによるマーケティングに
踊らされるだけです。

何が大切なのかが分からない場合は
このblogの過去記事を読んでもらう
のも良いですし、
市販の健康本を読まれるのも良いです。

どの本を読めば良いのか分からないほど
健康本はちまたに溢れていますが、
たまに書籍紹介もblogでするので、
自分が紹介した本を読むのも良いと思います。

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「酵素」は大切!?

こんにちは。

ヘルスコンサルタント
宮崎 光史です。

健康関連で「酵素」と言う
キーワードが出てきます。

大元を辿っていくと、
Edward Howell博士の
「Enzyme Nutrition(酵素栄養学)」
に行き着きます。

「酵素栄養学」とは?

専門書もあるくらいですので、
1ブログ記事で詳しく書くことは
不可能ですが、エッセンスだけ。

一生のうちで作れる酵素の量「潜在酵素」
が人によって決まっていて、
食べ物に含まれる酵素「食物酵素」
を食べて補うと
「潜在酵素」の消費量を節約できる
ので寿命が延びる
というものです。

酵素を「栄養の一種」と捉えて、
「酵素不足が万病の元」
としています。

そして、
酵素は加熱すると変性失活するので
加熱した食品よりも
非加熱/低温調理食品を
食べる方が体に良いとか、
発酵食品には酵素が多く含まれるから
食べると体に良いのだとしています。

 

「酵素栄養学」の不思議

確かに、
その様に考えて食事をすることで、
熱に弱い栄養素を壊すことなく
摂ることは可能でしょう。

しかし、この「酵素栄養学」が
もし真実なのであれば、
「生化学」の常識が根本的に
変わる様な「原則に矛盾」
したところが多いのです。

さきほど簡単に説明した内容で
説明しますと、

「酵素の生成量は上限がある」

体内の生化学反応に必要な酵素は
遺伝情報に基づいてアミノ酸を
独特な配列に組み上げることで
特定の蛋白質が作られます。

上記では言及しませんでしたが、
Enzyme Nutritionでは
実際に体内で働く酵素を
・消化酵素
・代謝酵素
として大きく分け、
一方を節約することで
もう一方を助ける
と言う理論もあります。

消化酵素については後述しますが、
「酵素の生成量は一生で上限がある」
と言うことは、
「酵素は消耗品」
と言うことが前提になります。

酵素の定義は
日本工業規格(JIS K 3600-1310)には
「選択的な触媒作用をもつタンパク質を主成分とする生体高分子物質」
とあり、これは現代科学の共通概念です。

よく分からんぞな…
と言う方も多いかと思いますが、
・ある作業に特化して
・作業の進みを速くしてあげるサポーター
と言うことです。

あくまで「サポーター」であり、
作業(化学反応)に直接的には関わらず、
化学反応の前後で消費されない
と言うことです。

そして、人間の消化酵素には
・蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)
・糖質分解酵素(アミラーゼ、スクラーゼ、ラクターゼなど)
・脂質分解酵素(リパーゼ)
(上記はそれぞれ何種類もあります)
が主にありますが、
それぞれの生成分泌量やバランスに
個人差があると言うことは
事実かと思います。

ですから、人によって、
・蛋白質の消化吸収が得意/不得意
・糖質の消化吸収が得意/不得意
・脂質の消化吸収が得意/不得意
と言う違いがあるのもまた自然です。

そして、何を食べたとしても、
食べると言う刺激に伴って、
「消化酵素」は分泌されるのです。
もちろん、蛋白質か糖質か油脂かで
消化酵素の分泌傾向は変わります。

「外から『食物酵素』が来るから」
と消化酵素の分泌が少なくなったり、
無くなったりすることは無いのです。

「食物酵素」が消化酵素を節約する?

では、
「食物酵素」は体内で
有効に働くのでしょうか?

ある程度は働くでしょう。

大根おろしを焼き魚と一緒に
食べることでなんとなく
スッキリすることもあります。

酵素の重要な性質があります。
・至適温度
・至適pH(酸・アルカリ)
と言うのが各酵素により
厳密にあるので、
その酵素に適した環境で無い限りは
触媒としての活性は極端に落ち
極端な温度やpHにより
蛋白質が変性するのと同様に
アミノ酸の塊になってしまいます。

人間が何かを口にした場合、
口から食道を通り、最初に入る
胃は塩酸主体の胃液を分泌しており、
ほとんどの蛋白質が変性失活する様な環境です。

蛋白質分解酵素を含む植物を
調理過程で使うことで、
肉が柔らかくなったりする
と言うことはありますが、
それを口から入れたところで
本当に消化管内で酵素として
働くのか、は疑わしいとしか
言えません。

誰もが認める事実として、
口から外来酵素を入れると、
殆どは消化吸収過程で失活し、
アミノ酸供給源となる
と言うことです。

確かに「酵素」は大切です

とは言え、
生きていくために
「酵素」は大切なことは事実です。

極端な高温下、低温下で
ほとんどの生命体は
生きられないのです。
(極一部の特殊な生命体は除きます)

ただし、それは
「自前の酵素」である
ことが大前提です。

 

発酵食品や酵素ドリンクの効果は?

では、
発酵食品や酵素ドリンクは
意味がない
のでしょうか?

「潜在酵素」の節約
と言う意味では意味がない
と考えるのが科学的です。

では、食べる必要が無い?

酵素ドリンクも発酵食品の一種
ですので、発酵食品全体として
話をさせて頂きますと、
元々の食材に含まれる栄養分が
発酵に関係する微生物により
細かく分解されることで、
人間では消化できない成分も
吸収出来る様な有用成分に
変わったり、
微生物自体が腸内環境に
良好な影響を与えます。

加えて、
含まれている酵素は
消化過程を経て、
アミノ酸源として働く
ことは誰もが認めることです。

まとめると、発酵食品の利点は
・材料の栄養成分の吸収を良くする
・腸内環境を改善する
・アミノ酸補給
となります。

非加熱/低温調理は善、加熱料理は悪?

これもよく話題になります。

ビタミンの一部などは
熱に弱い為、非加熱調理で
摂取することで有効に取り込める
と言うことは事実です。

しかし、加熱することで
・細胞壁を壊すことで
 生では吸収率が低い栄養成分の
 吸収率を高められる

・脂溶性ビタミンは
 油調理をすることで
 吸収率が上がる

・食中毒の原因となる
 細菌や寄生虫を死滅させられる
 (耐熱毒素は残存するので要注意)

と言う様な効果があります。

加熱料理されたものばかりでは、
熱に弱いビタミンは不足するでしょう。

しかし、非加熱の生食ばかりでも
別の栄養素は吸収率が低く、
不足するリスクが高いのです。
加えて食中毒や寄生虫感染の
リスクも出てきます。

正しい知識をもって正しい習慣を
取り入れましょう。

あなたも出来ることから
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ω3脂肪酸を何から摂るか?

こんにちは。

ヘルスドクター
健康実践支援専門医師
宮崎 光史です。

昨日は
「ω3不飽和脂肪酸」
「腸内環境と精神症状」
についてお話しさせて頂きました。

その中で、
「不飽和脂肪酸は酸化しやすい」
「酸化油は毒と認識せよ」
と言うことを書きましたが、
「酸化していない不飽和脂肪酸を
どの様に摂ったら良いのか?」
と言うことを聞かれました。

まず、
不飽和脂肪酸は
ω3、ω6、ω9の三種類に分類されます。
そして、酸化のしやすさは
ω3>ω6>ω9の順になります。

生体内にある脂肪酸は、
基本的に酸化し難い
ことが知られています。

ですので、
搾ったり抽出した液状の油
は酸化しやすいです。

このことから、
液状植物油を使うべきではない
と主張する専門家もいます。

この様な方は、
・植物
・魚
・藻類
・オキアミ
などから摂ることを
推奨されています。

調理過程での加熱は
酸化を促進させますが、
焼き魚程度であれば、
魚に含まれる脂肪酸は
問題となるほど酸化しない
とも言われています。

また、搾った油は
不飽和脂肪酸しか含まれていない
わけではありません

植物であれば
・抗酸化物質のファイトケミカル
・抗酸化作用のあるビタミン
などが含まれていますので、
搾ったらすぐに酸化する
と言うわけではありません。

エキストラヴァージンオイル
が良いと言われているのは、
こういう成分が残っているので
脂肪酸がより酸化しにくいから
と言う側面もあります。

そして、
単一の脂肪酸のみが
含まれているわけでもありません。

ω3が比較的多く含まれる
生物はかなり限られていますが、
植物にはω6、ω9、飽和脂肪酸などが
様々な割合で含まれています。
その中で比較的主体となっている
種類の油に着目した上で、
「○○はω△(不飽和脂肪酸)」
と言う言い方をすることはあります。

捕食する生物をまるごと
食べることで十分な栄養をバランス良く
摂取出来れば理想的ですが、
現実的では無いと思います。

可能な限りはそうした上で、
良質な液状油やサプリメント
利用すると言うのもアリだと思います。

サプリメント製品は、
酸化していない良質なものが
見つかれば良いですが、
実は多かれ少なかれ
酸化してしまっている
と言う報告すらあります。

どこまで追求するか
と言う問題になりますが、
本当に心配であれば、
荏胡麻(えごま)や亜麻仁(あまに)を
食べる直前にミルサーで
粉末にして食べたり飲んだり
するのも良いかと思います。

藻類のサプリメントも
何種類もあります。

・スピルリナ
・クロレラ
・ユーグレナ
・ナンノクロロプシス
などがあります。

その中でも、ω3脂肪酸含有量が
ずば抜けており、その他の成分も
他の藻類と比較して遜色ないモノ
あります。

ナンノクロロプシスです。

搾出油、抽出油では無いので酸化し難く、
クロレラの様に細胞壁が硬く無いですので、
消化吸収率も悪くないです。

上記リンク先の商品を飲んでみましたが、
少々青臭い独特の風味はありますが、
小さな錠剤状で飲みやすいです。

御自身に無理のない
摂りやすい形で継続することが
大切です。

ω6脂肪酸の摂取を抑えながら、
上記の様なものをうまく使って
脂肪酸バランスを改善しましょう!

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ω3不飽和脂肪酸と不安症

こんにちは!

ヘルスドクター
健康実践支援専門医師
宮崎 光史です。

【ω3脂肪酸の習慣的摂取が不安症を改善する可能性】

19論文をメタ解析した結果、
ω3脂肪酸を2g/日以上摂取すると
不安症を抑制する効果がある
可能性が認められたと言う報告が
JAMA Network Open(2018; 1: e182327)で
報告されました。

ω3脂肪酸で不安症状が軽減

ω3脂肪酸の摂取は不安症状を軽減させ、その効果は身体疾患や精神疾患を有する場合に高くなる。国立がん研究センター社会と健康研究センター健康支援研究部長の松岡豊氏、台湾・中國醫藥大學生物醫學研究所教授の蘇冠賓氏らは、不安症状を有する患者を対象にω3脂肪酸の抗不安効果を検討した研究のシステマチックレビューとメタ解析の結果を JAMA Network Open( 2018; 1: e182327 …

 

「不安症は死亡率を高める」
と言う統計的傾向はありますが、
現在病院で為される治療には
・抗不安薬は過鎮静、依存の副作用
・認知行動療法は時間や費用、経験医師の不足
と言った問題があり、

マウス実験にて
ω3脂肪酸を多く含む餌を
「習慣的に」食べさせることで
不安反応が軽減したことから、
今回のメタ解析を行った、
ということです。

 

ω3脂肪酸自体は、
厚生労働省より1g/日以上の摂取が
推奨されていますが、
今回の報告では2g/日以上の摂取を
習慣的に続けることが
不安症に効果があるとされています。

では、ω3脂肪酸をサプリメント等で
2g/日以上習慣的に摂取すれば良い
のでしょうか?

 

精神症状と「腸内環境」

そもそも何故
「ω3脂肪酸が不安症に良い」
のでしょうか?

「ω3脂肪酸に抗不安薬の様な薬効がある」
訳ではありません。

以前より、食事内容を改善することで
精神疾患とされる方々の精神症状が
改善することが報告されており、
「腸内環境と精神症状の関連性」
の可能性が高いとされています。

「ω3脂肪酸サプリメント」2g/日相当を
習慣的に摂取することも幾らかの効果は
期待出来る可能性は否定出来ませんが、
おそらくそれだけでは不十分です。

 

【腸内環境を改善させる為の食事とは】

では、腸内環境を整える為に
どの様な食事をすれば良いのでしょうか?

詳しく書くと1冊以上の本になるので、
ここでは簡単にお話させて頂きます。

食事から摂取すべき栄養について、
記事執筆時点で特定されているモノは
7種類と言われています。

・蛋白質
・脂質
・炭水化物
・ビタミン
・ミネラル

古典的栄養学では
最初の3つを「3大栄養素」
それに後の2つを加え「5大栄養素」
と言われています。

これに加えて

・食物繊維
・ファイトケミカル

と言うモノが加わり、
現代栄養学では「7大栄養素」
と言われています。

 

3大栄養素では一般的に
・蛋白質不足
・脂質バランス不良
・糖質過多
が大きな問題になります。

 

特に糖質過多は大きな問題で、
「甘いもの(砂糖、果糖、多くの人工甘味料)」
を常食しないこと、

現在ある症状を改善させるという
目的の為には完全に断つことが、
生化学的にも精神的にも
とても大切になります。

そもそも、
やめられないこと自体
「依存症」と言う病気
なんです。

 

それに加えて症状のある方は
比較的アレルギー源となることが
多いとされている
・小麦(グルテン)
・乳製品(カゼイン)
を厳格に避ける
ことも大切です。

 

本当に重篤で難治性の場合には、
最近注目されている
「レクチンフリー」と言う食事で
改善する可能性がありますが、

優れた栄養素を含む食品も
一定期間排除する為に、
中長期的に行うことは
避けないといけません。

 

ビタミンミネラルについても
不足しているケースが多いですが、
上記の糖質過剰やストレスの影響で
相対的に更に不足傾向であることが
多いので、正常に生きていく為に
最低限摂取する必要があると言う程度の
厚生労働省の推奨摂取量では

焼け石に水である可能性があります。

どれくらい摂れば良いかは
個人の体質や症状によっても
変わってきますので、
知識や経験のある指導者の下で
量の調整などを行う必要があります。

食物繊維については、
・腸内善玉菌の餌
・便通改善
としても
大切で
サプリメント等も出ていますが、
野菜や雑穀などから自然な形で
摂ることが良い
と思います。

ファイトケミカルについては、
・抗炎症作用
・免疫正常化作用
などの効果が報告される様な
モノが多くありますが、
これまた長くなりますので、
「色の濃い野菜」
意識してみて頂ければ良いかと思います。

 

【腸内環境を改善させる為の脂肪酸摂取】

人間が体内で合成出来ない
・ω3不飽和脂肪酸
・ω6不飽和脂肪酸
と言う2種類の脂肪酸は
「必須脂肪酸」と言われており、
脳血管や心血管の疾患予防の為に
ω3:ω6=1:2-1:4と言う比率での
摂取が勧められています。

ところが、現代の食環境では
ω3とω6の比率は1:20-1:40
ω6過剰になっているとされています。

今回紹介したメタ解析論文では、
体内の炎症を増悪させてしまう、
ω6の摂取量については
全く触れていません
でした。

ω3脂肪酸を2g/日以上摂らないと
効果が無いとする結果についても、
ω6不飽和脂肪酸の摂り過ぎを
減らすことで少なく出来る
可能性があります。

絶対量もある程度必要ですが、
それ以上にバランスが大切
なんです。

ですから、今回の研究結果を
実践してみたいと言う場合には、
ω3不飽和脂肪酸を1日2g以上
ω6不飽和脂肪酸は1日4g未満
を意識して下さい。

前述した様に、
現代人は気にしないと
ω6をω3の20-40倍摂ってますので、
ω3を積極的に摂るのも大切ですが
それ以上にω6を制限すること
大切になります。

不飽和脂肪酸は
酸化しやすいと言う性質があり、
酸化した脂肪酸は毒である、
と思ってもらって良いですので、
酸化油に注意しましょう。

 

 

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