【初夏にインフルエンザ⁉︎】

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。

最近、周囲にコロナ陽性の方もチラホラ居たり、
インフルエンザも流行し始めていますね。

【インフルエンザは冬のもの⁉︎】
これまで日本では、
インフルエンザといえば冬の感染症、
と言うイメージでした。
実際に毎年秋頃から高齢者などに
インフルエンザワクチンが接種されたり
していました。

ですからコロナ以前に夏に発熱しても、
病院で「インフルエンザじゃないですよね?」
と聞こうものなら、
「何も分かってないね、この時期にインフル?
無いない(笑)」
と鼻で笑う医師も多かったです。

その理由は、冬には
・低温乾燥環境でウイルスが不活化しにくい
・粘膜が乾燥し人間側の免疫機能が低下する
ために感染が広まりやすい、
と言う仮説が定説で、
「高温多湿な季節に流行することは無い」
と言うのが定説だったからです。

インフルエンザは地球規模の感染症で、
・季節が逆になる北半球と南半球で交互に流行し存在し続けている、
・自然宿主である渡り鳥の中に生存している
と言う感じで冬の流行以外の季節は
地球上に存在していると考えられていました。

【なぜ冬じゃないこの季節に⁉︎】
ではなぜ暖かくなってきた初夏に
インフルエンザ感染症が流行してるのか?

環境中でウイルスが感染力を
どれくらいの時間維持出来るか、
と言うことに気温と湿度が関係している、
と言うのは確かですが、
あくまで相対的な違いであり、
高温多湿環境で瞬時に不活化される、
と言う訳では無いという事は、
この時期の流行を見れば分かります。

インフルエンザ以外の感染症も、
条件さえ整えば季節に関係なく
感染したり流行する可能性はある

と意識しましょう。

また新型コロナウイルス感染症で
確認された様に、
くしゃみなどで2m以内に飛散する、
比較的大粒の飛沫感染だけで無く、
閉鎖空間で長時間浮遊し
空気感染に準ずる動態を示す、
エアロゾル(微細飛沫)感染を、
インフルエンザを含むあらゆる感染症が
起こし得ると言う認識も大切です。

室内に感染者がいて大声で騒いだり、
くしゃみなどで飛沫が飛べば、
換気がされていない限りは
室内気や内気循環の空調などを介して
同一屋内の別室の人にも
感染するリスクがあると言う事です。


【インフルエンザは鳥の常在ウイルス】
インフルエンザウイルス自体は、
人間の飛行機、船による移動に伴う拡散や
自然宿主の渡り鳥により拡散されますので、
国際的な人流制限が解除された事により、
人流とともにインフルエンザウイルスが
国内に入ってきた可能性もあります。

一方で「鳥インフルエンザ」の感染により、
飼育されている鶏が大量に殺処分され、
鶏卵の供給不足が騒がれたりします。

そもそもインフルエンザウイルスは、
鳥を自然宿主としており、
鳥が何らかの症状を起こすことは
基本的に無いとされています。

鳥から豚などの動物に感染し、
一部がヒトへの感染能力を獲得し、
ヒトに感染するインフルエンザウイルスが
誕生すると言うのが通説で、
鳥から直接ヒトに感染する事例は
基本的には無い
とされています。

鳥インフルエンザウイルスの中に、
病原性の高い種類が偶然発生し、
それがヒトに大流行を引き起こす、
と言う可能性が以前から警戒され、
対策がされていましたが、
昨今の鳥インフルエンザ流行で、
その脅威が現実になる可能性もありますので、
今後とも関係者の警戒は必要ですね。

【集団全体の免疫低下が原因?】
最近のインフルエンザ流行は、
コロナ対策で人と距離を置いたり
マスクを装着したり手指衛生を徹底した、
という事で免疫機能が低下したから、
と言う仮説で説明される様です。

確かに過剰な清潔は免疫機能を混乱させ、
自己免疫疾患やアレルギーなどを
起こしやすくなる
のは事実ですので、
自然環境に含まれる微生物に
日常的に適度に接することは、
免疫機能を強化し正常化するのに大切です。

ただ本当にそうならばあらゆる感染症が
これまで以上に流行しやすくならないと、
おかしいですよね。
コレについては時間が経過してみないと、
評価は難しいと思います。

発熱患者に対して、
コロナとインフルエンザの簡易迅速抗原検査を
行うことが広く行われる様になっていますが、
感染者が表に出やすくなっている事に
影響してる様に感じます。

多くの一般の方々は、
呼吸器感染症にせよ消化器感染症にせよ
基本的な感染対策をしておけば、
大丈夫
かと思います。

【基本的な感染対策】
まずは食事の前、トイレの利用後は
適切な手指衛生を励行
しましょう。

水道水で約15秒擦り洗いするだけでも
感染症を起こさないレベルまで
病原体を減らせますので、
目に見える汚れが無い場合は
水道水洗いだけで十分
です。

明らかに汚れがある場合などには、
界面活性剤で10秒揉み洗いし15秒濯げば、
更に減らす事が出来ます。

界面活性剤での揉み洗いを60秒にしたり、
「10秒洗い15秒濯ぎ」を2回行えば、
かなり減らせます。

手洗い後に擦式アルコール除菌剤を
十分量しっかり刷り込めば
手術前の外科医と同じレベルの手洗いですが、
一般の人は本来やる必要はありません。

いずれの場合にも、
洗った後に手指表面の水分を
すぐに拭いたり乾かす事が
微生物を増殖させない為に大切です。

手洗いが出来ない場合には、
おしぼりやウェットティッシュで
満遍なく手指表面を拭き取るのも有効です。
除菌成分が含まれてなくても2回行えば
手洗いと同等の微生物軽減効果があります。

手荒れや乾燥が気になる場合には、
起床後の手洗いの後白色ワセリンを
薄く塗り込んでおくと良いですよ。
界面活性剤を使用した手洗いの後は、
追加で塗るとさらに良いです。

それも出来ない場合に応急処置として
擦過式アルコール除菌剤を擦り込みますが、
その後にどこかに触れた時点で、
環境表面の微生物がついてくるので、
過信してはいけません。

テーブルなどの清拭についても、
保健所の監査が入る事業者の場合には、
次亜塩素酸やアルコール、柿渋などの
除菌成分を含むスプレーを噴霧して
拭くことも行われてますが、
水気をしっかり絞った布巾などで拭けば
家庭の感染予防処置としては十分です。

家族に感染者がいたり、
嘔吐物や下痢での汚染がある場合は、
中性洗剤などで有機物を含む
汚れを良く取ってから、
適切な濃度の次亜塩素酸液や
ウイルス不活化効果のある柿渋成分などを
含む除菌剤などで消毒処置する事が望ましい、
という事はありますけどね。

定期的な内外気換気か、
換気が難しい場合は適切な空気清浄機を
定期的に稼働させる様にして、
エアロゾル拡散を防ぎましょう。

一人暮らしの部屋の場合には、
感染対策としては必要ないですけど、
外の環境がよほどひどく無ければ、
換気するだけで気分も良くなりますよ。

発熱、咳、くしゃみなどが出る場合は、
外出しない様にしましょう。

病院受診の為等必要な外出の場合には、
手指衛生とマスク装着をした上で、
屋内では他人と2m以上距離を取りましょう。

家庭内で自分が感染した場合も、
起きている間は可能な限り
マスク装着や手指衛生を励行し、
寝る場所は非感染家族と別にして、
他の家族へうつさない様にする、
という事が大切です。

感染症の症状が無い場合には、
2m隔離やマスクは不要ですが、
マスクの有無に関わらず、
眼、鼻、口の粘膜を汚染された手指で
不用意に触らない様に意識すると、
不用意な感染を軽減出来ます。

普段から口呼吸では無く鼻呼吸を
意識する様にすると、
自然なフィルタリングと加湿がされ、
喉の粘膜が乾燥しづらくなりますし、
末梢血管が拡張し血流が良くなります。

たまに深呼吸を意識して行うことも
健康の為に良いと思います。

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