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過体重、糖尿病対策の最新理論とは

過体重、糖尿病対策の最新理論とは

by 宮崎 光史

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。

現代医療や栄養学においては、
肥満や糖尿病などの原因としては、
生活習慣が問題であるとされており、
・カロリー制限食
・脂質制限食
・運動療法
が組み合わされて指導されます。

しかしコレが有効で無いことが多く、
様々な食事療法や運動理論などが
出ては消えていくのが現状で、
ダイエットに特化したトレーナーやジム、
なども需要に供給が追いつきません。

成果が出ない場合も多く、
「やり方が指導通りじゃない」
「指導をキチンと守れていない」
「目標よりは少ないけど効果あった」
と言うことになり返金保証外のことも。

炭水化物50g含有食物を食べた場合、
ブドウ糖と比較して
血糖値をどれくらい上げやすいか、
と言う指標のGI(グリセミックインデックス)
が注目されていますが、
食材に炭水化物がどれくらい含まれるか
と言うところには注目していないので、
ウドン約88g、ソバ約70g、砂糖50gと
スイカ約660gなどを比較することになります。

ですから海外では
常識的な量を食べた際の血糖上昇を
比較できる様に修正した、
GL(グリセミックロード)と言う指標が
多く使われる様になって来ています。
それでも効果が出ないことも多いんですが。

そもそも炭水化物含有量の少ない肉類などは、
豚モモ肉(炭水化物0.2g/100g)では、
約25kg摂取しなければ判定出来ず、
絹ごし豆腐(炭水化物2g/100g)では、
約2.5kg摂取しなければ測定できないので、
実質的な測定は困難です。

血糖値が上がらなければ
体重増加に関係は無いと言うのが
従来の栄養学や生理学の常識でしたので、
測定困難な食材は問題対象外として
考えることも出来ます。

人間の脳内には
自分の理想体重がプログラムされており、
その設定を無視して
痩せようとしたり太ろうとしても
一時的には効果はありますが、
長続きすることは無いと言う
仮説があります。

カロリー制限や運動をしても、
カロリー制限→基礎代謝低下
運動量増加→食欲増進ホルモン増加
と言う反応が自然に起こることは
間違いないようです。

そもそも食事に含まれるカロリーは
あくまで完全燃焼した際の熱量であり、
体内での代謝や異化同化などの作用は
一切考慮されていません。

どの様な食材をどの様に加工して食べるか
と言うだけでも体内の消化吸収過程は
大きく変わりますので、
単純に同じカロリーを摂っても、
その内容によりその後の変化は違う、
という事です。

そして運動を含めた総消費カロリーも
実は運動量の多い人も少ない人も
そんなに大きな違いは無いことも、
多くの研究で確認されています。
「運動だけでは痩せない」と言うことです。

運動量が多い人は日常の活動量が減り、
運動量の少ない人は日常的な活動量が多い、
と言う傾向も指摘されたりしますし、
超長距離を泳いだり走っても、
運動しない人達と体脂肪率は変わらない
と言う人も少なくありません。
もちろん食事内容を意識出来る人には
低い体脂肪率の人もいますけどね。

カロリー神話や血糖値神話から目を離し、
肥満と強い相関関係がある
「インスリン抵抗性」に注目する
研究者が増えて来ています。

抵抗性とは、
持続的に高用量のホルモン物質が
分泌されると受容体が減ったり
ひとつひとつの感度が鈍くなり、
ホルモン物質の効きが悪くなる、
と言う現象のことです。

外から物質を投与する際にも
同じことが起こり、
過剰な刺激から体を守る為に起こる
ネガティブフィードバックと呼ばれる
自然な反応により起こります。

肥満者の多くが
インスリン抵抗性を持っており、

インスリンが多く分泌される
→インスリン抵抗性となる
→効きが悪くインスリンが更に多めに分泌される
→更にインスリン抵抗性が高まる

と言う悪循環が起こっていることが
肥満の大きな問題だとされます。

単純に血糖値のみに注目した
低GI、低GLの食品を食べても
長期的な減量が出来ない事例も多く、
先ほどの「脳内体重設定値」が
このインスリン抵抗性により
高値に設定されると言う説が
提唱されています。

インスリン抵抗性がある状態では
インスリンの基礎分泌量が高くなり、
インスリン分泌を刺激する物を摂ると、
通常より遥かに多いインスリンが
分泌されます。

ですから低カロリーや低GI(GL)でも
こまめに摂取してしまうことで、
インスリン抵抗性は改善しません。

インスリン抵抗性は、
・多量のインスリンが
・継続して分泌される
ことで引き起こされるので、
「インスリンが分泌されない時間」
を意識的に作ることで、
徐々に緩和していくことが出来ます。

低GI、低GL食品を食べていれば良い、
と言う訳では無いのが何故なのか、
については
1997年にオーストラリアのHolt氏らが
発表したインスリン・インデックスが
大きな鍵を握るとして注目されています。

Insulin index は、
健常者における1000kJ(約240kcal )の
食品における食後インスリン反応を
精白小麦を用いた白パンを100として
定量的に評価したものです。

この指標によると、
高蛋白もしくは高脂肪を含む炭水化物は
炭水化物単独より食後インスリン濃度が
上昇することが示されています。

つまり炭水化物を
高蛋白や高脂肪と共に食べると
食後インスリン濃度はより上昇します。

また炭水化物の内、
砂糖単独でみると量に比例して
インスリン分泌が上昇しますが、
でんぷん単独では上昇しませんでした。

蛋白質や脂肪は
単独でみれば量に比例せず
むしろインスリン分泌が低下します。

蛋白質や脂肪が単体で膵β細胞を刺激して
インスリンを分泌させるので無い、
という事です。

また食物繊維量は
インスリン分泌に無関係でしたので、
インスリン分泌を増やす食品に
食物繊維を添加しても意味がありません。

炭水化物が唯一の
インスリン分泌を刺激する栄養素ではなく、
蛋白質や脂肪もインスリン分泌を刺激する
と言う事実はあまり認識されていません。

コレに加えて、
同じブドウ糖でも静脈内投与と
経口投与でその後の血糖上昇に差が出る
ということが知られており、
胃に物が入ると胃から分泌される、
インクレチンと総称されるホルモン群が、
胃からの食物排出を抑制するとともに
インスリン分泌を増やすことが
分かっています。

インクレチンは、
胃からの食べ物の排出を抑えて
満腹感を持続させる効果もありますし、
蛋白質や脂質を炭水化物と同時に摂取しない
様にするなどの工夫をすれば、
インスリンの多量分泌も避けられます。

口から何かを摂り胃に入れるだけでも、
インスリン分泌は増えるということなので、
低カロリー食、低GI(GL)食、置き換え食が
効果があっても短期間だけと言う
一因でもあります。

またインスリン抵抗性は、
・肝臓
・筋肉
・脳
などの部分に個別に発生し、
お互いに影響し合わないことも
知られています。

食べ物による抵抗性は肝臓で起こり、
運動不足に伴う抵抗性は筋肉で起こる、
と言う感じの様です。
コレらが持続することで、
脳の方にも影響を与えてしまい、
体重設定値が高くなる可能性があります。

では肥満や糖尿病に大きく関係する
インスリン抵抗性を軽減するには
どうすれば良いのでしょうか。

低カロリーや低GLでも口から摂ると
インクレチンの作用で
インスリンは増えますので、
運動を併用すればなおさら
逆に食への渇望感を起こすリスクがありますし、
低カロリー食では
体重を維持しようと代謝が抑制されます。

水分や血糖値上昇に大きく関わらない
物以外は口にしないと言う習慣を
定期的に設けさえすれば、
実は抵抗性は理論的には起こりません。

そして低カロリーの少食をすることで
身体は代謝を落としたり
食欲増進ホルモンを増やして抵抗しますが、
完全に固形物オフとなると、
身体機能はむしろ活性化します。

16時間から36時間程度であれば、
筋肉が分解されるようなことも
ほとんど起こることはありません。
寝る前3時間前までに食事を済ませ、
翌朝は起きてすぐに食べずに
昼頃に食事をすると、
14-18時間は固形物を
摂取しない様になります。
コレは毎日続けても大丈夫です。
1日1-2食になるかと思います。

プロテインドリンクや
バターコーヒーを飲んでも良い、
と言う様なやり方もありますが、
インスリン分泌刺激のことを知ると、
常飲は避けた方が良さそうですね。

断食時間中はコーヒーやお茶、
ブロス(出汁)スープなどにとどめ、
プロテインなどは8時間の
食事時間の中で飲む様にしましょう。

24時間の場合は
夕食後は翌日の夕食まで何も食べない、
36時間の場合は、
夕食後は翌々日の朝まで何も食べない、
と言う感じですが、
連日行う必要はありませんので、
1日おきで行うと良いと思います。

やりたいときに1週間か2週間
続けてやってみる感じですね。

連続して2日以上食べない様な
断食をする際には、
経験と知識のある人の指導下に
行うことをお勧めします。

なんらかの思想や宗教的な理由で
週単位や月単位などの長期断食を
行うのも否定はしませんが、
医学的には3-5日程度までに
しておくのが良いかと思います。

少しめまいや脱力感を感じる場合は
ミネラル分が不足している可能性があるので、
未精製の海塩を飲料水などに加えたり、
具なしのブロス(出汁)スープなどを飲むと
和らぐかと思います。

食べない時間明けの最初の食事は
少量のサラダ、具入りブロススープ、
ひとつかみ程度のナッツなどの
お腹に負担が少ない物が良いです。

余裕があれば食事する際には、
精製糖質(甘味料全般、デンプン質)は避け、
未精製の穀物や野菜(特に豆類)を適量摂り、
良質な脂質を意識的に摂りましょう。

低加工のエクストラバージンオイル
と言うのがベストかと思います。
ナッツ、乳製品、アボカドなども
体質や好みに合えば活用出来ます。
動物性脂肪も過剰に恐れる必要は
ありません。

蛋白質は体重1kgあたり1日1.0-1.5g程度は
摂る様に意識した方が良いですが、
食事量(カロリー換算)の20-30%くらい
までにした方が良いとも言われます。

加えて蛋白質や脂質は
デンプンや糖類と合わせると
インスリン分泌が爆上がりしますので、
同時に食べるのは避けた方が良いですね。

運動は無理ない範囲で大丈夫。
筋肉を増やしたいとか、
長距離レースに出たい人は、
自由にして良いですが、
運動だけでは「痩せない」ことは
理解しておきましょう。

また関節に長時間
おなじ刺激を加える運動は、
靭帯や関節を傷めやすく、
長期の故障をしたり
日常生活に支障を来たす
可能性もありますので、
十分な休養をしたり定期的に種目を変え、
運動に多様性を持たせることも大切です。

栄養や食事においても、
365日同じ物を食べ続けると、
消化吸収率が悪くなったり、
蛋白質によっては遅延型アレルギーを
引き起こしたりしてしまいますので、
定期的にパターンを変えたり休む
と言うことが大切なのは、
運動と同じですね。

「インスリン抵抗性仮説」が
真実かどうかはわかりませんが、
試してみる価値はあるかと思います。

健康改善や病気予防に興味があるけど、
何を学べば良いのか分からない方は、一般社団法人Wellness Life Support( https://wellnesslifesupport.or.jp )の上級会員となってみて下さい。初級会員でも会員サイトで学べますが、安価な設定にさせて頂いた為、ウェビナー参加や直接のやり取りが無いですので、まずは学びたいと言う方向けです

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