【筋肉量と認知機能】

こんにちは、Dr.Kです!

突然ですが、
BMI(Body Mass Index)と言う指標を
ご存知ですか?

体重(kg)を身長(m)の二乗で割って
算出される指標です。

18.5未満だと「痩せ型」
18.5-25未満だと「普通」
25-30未満だと「肥満(1度)」
30-35未満だと「肥満(2度)」
35-40未満だと「肥満(3度)」
40-だと「肥満(4度)」
と言う判定になることが多いです。

30-59歳の日本人男女5000人を
対象にした健康診断結果の解析で
BMI値が22の人達が異常値が少なかった
と言う報告から理想は22と言う
仮説があるのですが、
「直ちに命に影響の無い慢性疾患」
の検査で引っかからなかった。

そして40-59歳の日本人の男女、
約2万人ずつを10年間追跡調査を行い、
総死亡率とBMIの相関を調べた研究では、
23-24.9の群が最も死亡率が低かった
と言う報告もあります。

そして週刊現代に特集が組まれるほど
40の大学や研究機関が参加し、
高齢者の健康問題を調査する
国家的プロジェクト
「JAGES」(日本老年学的評価研究)の
一環として実施、分析された研究を、
東大、千葉大、山梨大などの研究グループ
が一部をまとめて発表した内容が
話題になっています。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67497

愛知県常滑市、南知多町に住む
65歳以上の高齢者3696人を
6年間追跡し、
・認知症発症率
・原因
を調査したところ、
BMI18.5未満の痩せ型の人達は、
BMI18.5-25未満の普通体型の人達より
認知症になるリスクが最大で172%も高い
と言う結果になりました。

そしてBMI25以上の肥満体型では
認知症リスクは普通体型の73-82%と
むしろ低いと言う結果でした。

研究チームはこの結果には
筋肉から出る「マイオカイン」と総称される
物質が大きく関係していると推測しています。

マイオカインが多く分泌されるほど
認知機能は低下しにくい傾向にある
と言う報告もあるのです。

加えて筋肉量が多いと
血糖のコントロールもしやすくなり、
糖尿病にもなりにくいと言うことが
知られています。

ですから単に脂肪だけを増やすのでは無く、
筋肉量を増やしてBMIを25前後にする様な
意識を持って運動と食事をすること、
・適切な運動
・十分な蛋白質と微量栄養素(ビタミン・ミネラル)
がとても大切になってきます。

抗酸化作用を持つビタミンや
ファイトケミカルと呼ばれる
植物の濃い色の色素成分も
運動に伴う活性酸素や炎症を
抑えると言う意味で大切です。

ある程度の年齢になると、
痩せ型で筋肉量が少ない人達は
急速に老化、認知機能低下、
骨密度低下に伴う骨折が
起こる様になってしまいます。

モデルの様な体型は若い時でも
健康と言う観点からすると
好ましいモノでは無く、
ヴォーグ紙が「痩せ過ぎ体型」は
モデルとして採用しないと発表した
ことが思い出されます。

ただ多くのトレーナーが
教えているトレーニング方法は、
関節や腱を傷めてしまうことを、
歴代のタイトルホルダーのボディビルダーが
身をもって示してくれています。

中高年の為のトレーニングは
・関節と腱を傷めないこと
・癖や歪みを改善させること
がとても大切です。

そしてしっかりと栄養を取ることです。

高齢者でも適切な刺激を与えれば
十分に筋肉が発達することは
既に良く知られていますし、
振動などの刺激によって、
骨や全身の組織がより強くなる
と言うことも知られています。

最近では血液やリンパと言う
管構造体内を流れる体液では無い
細胞を取り囲む様に存在する間質液
な如何に滞らずに流れるかが、
運動として大切と言う指摘もあります。

ですから
ひたすらパンプアップさせ
体液を一箇所に滞らせるタイプの
トレーニングは健康長寿には
向いていません。

複数種目をローテーションして
全身の体液循環を止めない
サーキットトレーニングが
健康長寿にはとても有用なのです。

あなたの周りの高齢者は
筋肉量が少ない痩せ型や普通体型
だったりしませんか?

早い時期からトレーニングを
習慣化ししっかり蛋白質を摂ることで
健康的にBMIを高めにして
最期まで活力溢れる人生を
送れるようにしましょう!