【改めて「感染症対策」について】

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。
⁡
オミクロン株陽性者が増えてますね。
とは言え一般の人達がやれることは、
今までと何も変わりません。
⁡
今までもお伝えして来ましたが、
改めてまとめてみました。
長くなってスンマセン。
⁡
病原体/病原微生物による感染症は、
⁡
・接触拡散
原因物質が混入した粘液など汚物が
手指などを介して眼・鼻・口の粘膜に
触れることで付着し感染を引き起こす
⁡
・飛沫拡散
原因物質が混入した粘液の飛沫を
直接浴びたり吸い込むことにより、
眼・鼻・口などの粘膜に付着し、
感染を引き起こす
⁡
・空気拡散
原因物質が含まれた飛沫が
乾燥して出来る微細な飛沫核などが
気流に伴い舞い上がったり浮遊、
鼻や口から吸い込まれたりして
眼・鼻・口の粘膜に付着し、
感染を引き起こす
⁡
のいずれかの拡散形式で広がる、
と言われています。
⁡
嘔吐や下痢などが主な症状の食中毒は、
基本的には調理や配膳過程での
接触拡散が主だとされていますが、
牡蠣の生食などで広まるノロウイルスが
患者の吐物で汚染されたマットが
次亜塩素酸処置が不十分だった為に、
飛沫核となり通気孔を介して
建物内の部屋に広く拡散してしまい、
多くの感染者を出した
某ホテルの事例もあります。
⁡
呼吸器感染症のほとんどは、
飛沫拡散が主体とされていますが、
接触拡散もしますし、
COVID-19で注目された様に、
微小飛沫(エアロゾル)による
空気拡散の様な広がり方もします。
⁡
病原体/病原微生物によって、
どれくらいの時間飛沫核として
感染性を保ったまま存在できるかは
変わりますけれども。
⁡
病原体/病原微生物によって、
どの感染経路が主なのか、
学問的な区別はありますが、
どの様な病原体/病原微生物であっても
実生活においては
「どの拡散経路も起こりうる」
として対応するのが一番でしょう。
⁡
そして感染症対策として
一般の人達が出来ることは多くありません。
⁡
自分達が出来ることだけ知りたい方は
「接触拡散対策」まで
読み飛ばすことをオススメします。
⁡
空気拡散については、
密閉空間においては
定期的な空気の入れ替えをする、
風通しの良い屋外を選ぶ、
病原体/病原微生物のいる空間を
大気圧より低い気圧にすることで、
外部環境に漏れ出ない様にする、
くらいしか出来ません。
⁡
陰圧室での感染者対応病床としては、
結核患者を想定した
呼吸器科結核病床がありましたが、
長年稼働率が低かった為に
陰圧設備の無い通常病床に
改装してしまっていることが多いです。
⁡
感染症対応可能な特殊な病院には、
3-5床程度の陰圧室があったりします。
海外からの入国者が検疫で
エボラ出血熱などの感染が判明し、
特殊な救急車で搬送されていく、
と言うことが想定されてましたので、
国内に多数の中等症や重症者が発生する
感染爆発に対しては
重症者を数人受け入れただけで
許容患者数を超えてしまい、
十分な活躍が出来ませんでした。
⁡
あとは手術室は区域内全てが
陰圧となっていますが、
一般の方には関係ないですね。
⁡
エアコンなどの
送風や室内換気の機能は、
室内気を室内や建物内で
循環させるだけの物が多く、
むしろ空気拡散による被害を
広げてしまうリスクがあります。
⁡
家庭用空調設備においては、
日本国内ではダイキン工業さんが、
内外気換気機能付の機器を
販売されていますので、
新設や交換される場合には、
選択肢に入れると良いかと思います。
⁡
キッキンスペースのある
リビングダイニングなどでは、
定期的に窓を開けるだけでなく
レンジフードの換気扇を
定期的に稼働させることでも、
内外気換気が効率的に出来ます。
⁡
換気扇や内外気換気が困難な場合は、
適切にメンテナンスがされている
性能が客観的規格をクリアした
空気清浄機を稼働させることも、
有効かと思いますが、
「空気除菌」「空間除菌」に対しては、
複数製品を客観的に比較出来る
指標が存在しませんので、
ご注意下さい。
⁡
飛沫拡散対策は、
自分がクシャミや咳をする場合に
マスクやハンカチ、ペーパータオルなどで
口と鼻を覆い飛沫が飛ぶ量を減らすこと。
⁡
そういう意味では感染し発症している人が
外出時などに適切なマスクを着用することは、
周囲への拡散を減らす意味で有効です。
⁡
有症状時や症状が落ち着いて2-3日程度は
可能な限り外出しない様にした上で、
非感染者と密接に接することを
避ける方が大切ではありますが。
⁡
周囲にその様な人がいる場合、
2m以上の距離を保つか、
距離を保てない場合には、
ゴーグルやフェイスシールドを
外側が撥水加工されている
サージカルマスクや感染防護衣、
使い捨て手袋などと併用して
自分の粘膜面への飛沫の付着を
緩和することが有効ですが、
基本的に有症状者の診療を行う
医療従事者じゃなければ必要無いです。
⁡
これからが一般の方に
大きく関わってくる接触拡散対策です。
⁡
・公衆トイレ利用後
・飲食前
の手指衛生が一番大切です。
⁡
基本は水道の流水の下で
30秒満遍なくこすり洗いをする。
これだけで手指表面の微生物を
100分の1程度に減らせます。
⁡
目に見える汚れがある場合には、
石鹸を用いて10秒満遍なく揉み洗いをし、
流水で15秒しっかり濯ぐことで、
手指表面の微生物を 1万分の1程度と、
十分に洗い落とすことが出来ます。
⁡
石鹸などの界面活性剤で、
インフルエンザウイルスやコロナウイルスなど
脂質で出来た膜(エンベロープ)を持つ
エンベロープウイルスは、
洗い流して数を減らすだけでなく、
感染性を失わせる(不活化させる)ことが
出来ます。
⁡
石鹸10秒洗い15秒濯ぎを
2回繰り返すことで
手指表面の微生物を
100万分の1程度まで
落とすことも可能ですが、
それ以上繰り返しても
あまり効果はありません。
⁡
ノロウイルスやロタウイルスなどは、
脂質で出来たエンベロープを持たない
非エンベロープウイルスと言う分類なので、
界面活性剤で不活化できませんが、
洗い流して数を減らすことは
感染対策にとても有効です。
⁡
水が使えない場合には、
70-95%の擦過式アルコール除菌剤を
乾燥するまでしっかり手に揉み込むことで、
エンベロープウイルスなどの
病原体/病原微生物を
不活化させることが出来ます。
⁡
ウェットティッシュやおしぼりで、
満遍なく手の表面を拭き取るのも、
病原体/病原微生物を減らすのに有効です。
除菌成分を含んでいなくても、
2回重ね拭きをすることで、
手洗いとほぼ同じ効果があると言う
研究報告もあります。
⁡
手洗い後に擦過式アルコール除菌剤を
併用しても良いのですが、
外科手術や食品衛生に携わる人以外は
過剰な対策になるだけですし、
普通の環境で生活すればすぐに
手洗い前と同等以上の細菌数に戻るので、
基本的に行う必要はありません。
⁡
それよりも手洗い後は
手の表面の水を取り除いた後で、
油分を補い保湿する様にしましょう。
⁡
手洗い後にハンドクリームを塗る
と言うことでも良いのですが、
こまめに行うのが難しい場合には、
朝一番の手洗い後に
「日本薬局方白色ワセリン」を
少量満遍なく手に擦り込んでおくと
その後の手洗いで洗い落とされにくく、
手の皮膚の保護になります。
⁡
非エンベロープウイルスも
不活化出来る次亜塩素酸は
皮膚の蛋白質などの有機物と
反応して無害化してしまうので、
手指消毒剤としては適しませんが、
適切な濃度とpHであれば、
事前に有機物を除いた環境表面の
消毒処置にはとても有効です。
⁡
無意識にやってしまう、
眼・鼻・口を指先で触れる行為を
意識的に抑えることも大切です。
どうしてもやる場合には指の甲など、
汚染表面を触る危険の低い部位で
軽く触れる程度にしましょう。
⁡
不特定多数が良く触れるような
手すりやテーブル、壁やスイッチなど
環境表面については、
抗菌/抗ウイルス素材などであっても、
粘液内部まで効果は及ばないので、
定期的な清拭が好ましいです。
⁡
固くしぼった濡れ雑巾での清拭でも
一定の効果はありますが、
70-95%のアルコール除菌剤を噴霧し
乾燥させるのも有効です。
⁡
アルコール除菌剤で濡らした布巾などで
清拭して薄く塗布して乾燥させることは
有効なのですが、
アルコールは乾燥する時に
殺菌効果を発揮しますので、
乾燥する前に濡れ布巾で
薄めて拭き取ってしまうと、
油汚れを落とす様な意味合いになり、
病原体/病原微生物の不活化効果は
ほぼ無くなりますのでご注意下さい。
⁡
ノロウイルスやロタウイルスなどの
非エンベロープウイルスの場合には、
アルコール除菌剤では効果が薄く、
0.05-0.1%(500-1000ppm)の
次亜塩素酸ナトリウム水溶液での
清拭が必要になります。
⁡
上でご紹介した
某ホテルでのノロウイルスクラスターは、
患者の吐物で汚染されたマットが
次亜塩素酸処理が不十分なまま
使い続けられた結果、
内気循環空調を介して空気拡散と言う
想定外の広がり方をしてしまいましたので、
汚染された物品の消毒処理の徹底は
意識しておいた方が良いですね。
⁡
とは言え次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、
金属を腐食させてしまいますので、
金属表面はアルコール除菌剤の方が、
良いかと思います。
⁡
金属では無いトイレ周りや水回りは
次亜塩素酸ナトリウム水溶液で
定期的な清拭処置を行うのが
ノロウイルスやロタウイルス対策としては
オススメですね。
⁡
ただ注意した方が良いのは、
気化した次亜塩素酸ナトリウムが
粘膜に化学性の炎症を起こすことも
知られていますので、
次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いた
清拭処置の後は十分に換気をして
空気中の濃度を薄めること。
⁡
「空気除菌」効果を謳って、
次亜塩素酸や二酸化塩素などを
空気中に蒸散させたり噴霧する機器が
販売されていますが、
効果を比較出来る規格化された
客観的な指標は存在しません。
⁡
各販売メーカーが閉鎖空間内で
独自に行った試験で確認した
と言う結果は否定しませんが、
実稼働環境での効果や健康被害は
確認されていないことが殆どです。
⁡
次亜塩素酸ナトリウム水溶液を
噴霧する業務用機械においても、
広範囲かつ複雑な環境表面の
病原体/病原微生物の不活化効果が
確認されているだけであり、
「十分な掃除をした後で稼働させる」
「無人環境での稼働」
「稼働後の十分な換気」
などが求められていますので、
有人環境下で連続稼働をしたり、
蒸散させて二酸化塩素濃度を高めるのは、
有効性があるのであれば、
健康被害を懸念した方が良いですし、
健康に問題が無いのであれば、
有効性を疑問視した方が良いです。
⁡
また「次亜塩素酸水」と言うのも、
ウイルス不活化や殺菌などの効果がある、
と言うのは間違いないのですが、
酸性度(pH)や濃度などの条件が
整っていることが大前提になります。
⁡
生成器から出来たばかりの
pHや濃度が確実に保証されている
次亜塩素酸水であれば良いのですが、
ボトル詰め状態で販売されている場合には、
例えpHや濃度が書いてあっても、
あくまでボトル詰めや出荷時点の数値で、
店頭に並び購入した時点では、
変化してしまっていることが多いです。
次亜塩素酸はそれほど不安定なんですよね。
⁡
ですから水酸化ナトリウムと混ぜて
比較的安定な形態である、
強アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム
と言う形で漂白剤などとして
販売されている訳です。
⁡
アルコール除菌や次亜塩素酸除菌に
過剰にこだわりすぎなくても、
感染症対策は十分に可能ですので、
出来ることから続けて下さいね。
⁡
上記の様な感染対策に加えて、
日々の生活習慣/環境を
意識してより良い物にする事で、
免疫機能を維持強化することも
とても大切です。

⁡

健康改善や病気予防に興味があるけど、
何を学べば良いのか分からない方は、
一般社団法人Wellness Life Support
https://wellnesslifesupport.or.jp
の上級会員となってみて下さい。
⁡
初級会員でも会員サイトで学べますが、
安価な設定にさせて頂いた為、
ウェビナー参加や直接のやり取りは無いので、
まずは学びたいと言う方向けです。