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【新型コロナは空気感染しない?】

【新型コロナは空気感染しない?】

by 宮崎 光史

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。

「結局コロナは専門家の言う様に
空気感染しないんですか?」
と言う質問をいただきました。


飛沫は咳やくしゃみとともに、
口から飛び出す小さな水滴で、
定義上最大2メートルしか
飛ぶことができません。

インフルエンザ、おたふく風邪(ムンプス)など
呼吸器感染症のほとんどは飛沫感染し、
その人から2m以上の距離を保てば
感染しないと言うのが、
コロナ以前における感染症における
常識(通説)でした。

飛散した飛沫が浮遊している間に
含まれている水分が蒸発すると、
飛沫核という微小な微粒子となり、
空気中を長時間浮遊できます。

飛沫核に病原体が付着すると、
病原体もまた飛沫核に乗って
長時間、空気中を浮遊できます。

通気口などの空気流に乗って、
隣の部屋に到達することもできます。
これを空気感染といいますが、
空気感染できる感染症は
感染症学的には3つしか無いとされます。
麻疹、水痘、結核です。

この定義を厳格に守ると、
「COVID-19は空気感染しない」
と言うことになります。

とは言え飛沫核に近い挙動を示す、
極小飛沫による感染と考えないと、
矛盾してしまう事例もありました。
コレらは微小飛沫のことを、
マイクロ飛沫と称したり、
エアロゾルと称したりします。

コレまでは人工呼吸器に接続された
患者さんの管を外して処置を行う際に、
エアロゾルとして体液飛沫が
患者周囲に広がる事例が知られており、
その様な場合のみ医療従事者は
N95マスクを着用して処置を行う、
と言う様な事が行われていましたが、
それ以外の医療現場でエアロゾルが
存在することは
基本的に無いとされて来ました。

ところが咳やクシャミとともに、
従来の定義で言う「飛沫」以外に、
エアロゾルとして扱わざるを得ない
大きさのマイクロ飛沫が長時間浮遊することは、
COVID-19の対策研究やシミュレーションで
明らかになっていることは、
多くの方がご存じのことでしょう。

咳エチケットで口を布やマスク、手指で
覆っても完全には防ぎきれない飛沫が
ゆっくり周囲へ広まると言うことです。
感染性を示すほどの濃度で広まることは
密閉されていない環境においては
あまり無いとは思いますが。

工業的にインクジェットプリンターの様に
意図した大きさのエアロゾルを
作り出すことはとても困難だった為、
そんな簡単にエアロゾルはできない、
と言う固定観念もあったりしますが、
現実として微小飛沫による感染を
考えないと説明出来ない事例が、
少なからず起きています。

そしてCOVID-19だけで無く、
嘔吐下痢を主な症状とする
感染性胃腸炎を引き起こす
「ノロウイルス」についても、
接触感染や飛沫感染では説明がつかない
大量発生事例が国内ホテルで
発生したことがあります。

調査の結果、
嘔吐物で汚染されたマットが
十分に次亜塩素酸などによる
消毒(ウイルスの不活化)処理されずに
継続的に使われていたことで、
乾燥したマットから浮遊した
マイクロ飛沫が換気口を通じて
ホテル内各所に広がり感染源となった、
と考えないと説明がつかなかった。
公式の最終結論はそうなっています。

上記の拡散は「空気感染」としか
言えない様な広がり方ですが、
麻疹、水痘、結核では無いために、
「特殊な事例であり空気感染では無い」
と言う言い方を専門家はします。

COVID-19についても同じことです。
麻疹、水痘、結核で無い以上は、
空気感染することは定義上あり得ないので、
「COVID-19は空気感染しない」と言う
表現になる訳です。

一般人からすれば学問的な定義よりも、
起こっている現象をどう捉えるのか、
そしてどう対応すれば良いのかと言う
ところがとても重要かと思います。

そういう意味では感染症全般は、
接触感染、飛沫感染に加えて、
空気感染に準ずる拡散を起こし得る、
と言う認識をしておくことが、
とても大切だと思います。

空気感染あるいはそれに準ずる拡散を
密閉空間で一般人が防ぐことは出来ません。
医療機関でも陰圧室隔離をしない限りは
防ぐことはできません。

N95マスクも本来は
微粒子レベルの高い環境で作業する
工事現場などの人達の呼吸器トラブルを
軽減する為の物ですので、
微粒子の吸引リスクは減らせますが、
「感染予防具」として認証されていない
製品ですので、
感染予防効果は無いと考えた方が良いです。

唯一できることは「外気との換気」で
浮遊するマイクロ飛沫の濃度を
希釈することだけです。

ホテルでのノロウイルスの事例の様に、
内気循環するだけの換気では、
感染症被害を広めるリスクがあります。

とは言え殆どの既存の空調機器は、
内気循環機能しかありません。
外気との換気が可能な機器は、
数えるほどしか存在しないんですね。

ドアや窓を開けるか
キッチンや浴室の換気扇を稼働させる、
或いはその両方を併用する、
と言うことでしか内外気換気は出来ません。

最近では飲食店や大型施設などで、
「二酸化炭素濃度」が表示される事が
増えていますがコレは
「内外気換気がしっかり出来ているか」
と言う指標として使われています。

大気中の二酸化炭素濃度は平均約440ppm、
室内気の場合は1000ppm未満が
室内気の汚染程度を評価する指標です。

高度に密閉された室内で換気不足ですと、
夜間睡眠時の室内気二酸化炭素濃度が
2500ppmに達する事例もある様で、
睡眠の質にも大きく影響している可能性が
報告されています。

睡眠の質がイマイチだなと言う方は、
測定機器を設置してみるのも一案かと思います。

内外気換気が困難な事業者や家庭に向け、
「空間除菌」「空気除菌」と言う
キーワードで様々なメーカーが
製品を販売しています。

大手製薬企業である大幸薬品も、
クレベリン製品を多数展開していましたが、
消費者庁により措置命令が出ています。

同社は法的に争う構えを見せていますが、
そもそも科学的に「空間除菌」「空気除菌」
と言う用語は存在しませんので、
科学的な定義もありませんので、
消費者に「空気中の病原微生物から
感染性を失わせる効果がありそう」
と思わせる為の広告用に作られた
造語でしかありません。

狭い密閉空間における各社独自の実験で
ある程度効果があることは否定しませんが、
非密閉の生活環境に設置した場合の効果は、
開発製造し販売しているメーカーも、
確かめていないので不明ですし、
複数メーカーの製品を比較できる様な
計測基準も存在しません。

次亜塩素酸を噴霧し広大な環境表面を
除菌処理する機器は存在します。
有機物と即時に反応してしまうので、
有機物を除去する適切な清掃をした上で、
無人環境にて稼働させ十分な換気をする、
と言う運用が指定されており、
環境表面の除菌効果は確かにあります。
ただあくまでも「環境表面消毒」であり、
「空間除菌」ではありません。

そもそも稼働後に内外気換気するので、
例え空間除菌がある程度出来ていたとしても
すぐに意味が無くなります。

基本的には、
有効な除菌効果がある場合には、
人体に何らかの害が起こります。
安全性が確約されているのならば、
有効性は逆に期待出来ない
と考えておくのが良いと思います。

室内気の微粒子を軽減除去する
「空気清浄機」の場合には、
ある程度の効果があると考えて良いでしょう。

フィルターだけで
マイクロ飛沫除去は難しいでしょうが
静電吸着を併用した機器であれば
それなりに効果はあるはずですので、
適切なメンテナンスが前提になりますが、
「空間除菌」を謳う不確実な機器を使うよりは、
遥かに効果はあると思います。

長くなりましたが、
感染症学においては
「結核、水痘、麻疹」以外は
空気感染の定義に当てはまってはいけないので、
それ以外の病原体が空気感染することは
起きないとしか言えない。
個人的には新たな知見をもとに、
定義を見直すのが良いと思いますけどね。

学問的な定義は別にして、
感染症は全て空気感染に準ずる
拡散をすることが条件次第であり得る。
そして感染症予防の為には、
接触感染、飛沫感染対策とともに、
定期的な内外気換気や空気清浄機稼働、
が効果的な対策です。

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