感染対策/行動規制 2022年夏版

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。

これまで政府や自治体による
お願いベースの行動自粛要請と、
各事業者による感染対策ルールで
罰則を伴う強制なく行われてきた
日本の感染対策/行動規制。

海外諸国も感染対策義務を解除し、
ある程度の陽性者数拡大は許容する
と言う方向に変わって来ています。

日本も規制を緩和しよう!
ただ「規制緩和≒感染リスク増大」だから
気をつけないといけないですよ!

と言う論調が最近ありますが、
規制緩和することで、
感染リスクが必ず増える訳ではありません。

加えて海外諸国が
科学的かつ感染制御学的に適切な対応を行い、
無意味だったり不適切な対応はやめた、
と言う訳でも無いことは要注意です。

何が正解で何が間違ってるのか、
ハッキリ分からない事も多い中で
我慢の限界が来て規制解除してみたものの、
実際に陽性者数がリバウンドして
ロックダウンやら再規制となってる
地域も意外とあります。

海外がしてるから日本もやらなきゃ、
と言う論調で語るのでなく、
科学的/感染制御学的に、
効果や重要性がかなり低い施策は
必要ないと情報発信した上で、
適切かつ重要な施策については、
継続或いは採用していくと言う意識が大切。

たとえば屋外では運動の有無に関わらず
・他人と2m以上の距離がある
・基本的に話さない
のであれば
他人から感染症を飛沫を介して
うつされる危険性はありませんので、
例え未知の感染症が広がりつつある中でも
不特定多数のマスク着用は不要です。

特に肺や心臓への過度な負担となる
場合にはその旨をお伝えすれば、
多くの事業者は黙認してくれます。
航空機などルールが厳格な場合には、
診断書を持参すればなお良いでしょう。

そうでは無い場合にも、
各事業者ローカルルールへの対応や、
所謂マスク警察への対策として携帯し、
必要そうな時に形式的に装着してあげるのは、
円滑な社会生活を営む上での意義は
あると思います。

空気感染に準ずるエアロゾル感染が心配、
と言う人もいるかも知れませんが、
広い屋外では感染成立に必要な量の
エアロゾルや飛沫核を吸い込む事は
ありませんので気にしなくて良いです。

内気循環システムしか無い大規模施設内で
換気口を通じて施設内区域を跨いだ広範囲で
エアロゾル感染が起きたと
考えられる事例はありますので、
感染対策として気になる場合には、
内外気換気なのか内気循環だけなのか、
施設スタッフに確認した方が良さそうです。

利用する室内が内外気換気されていれば、
空気感染の原因となる飛沫核やエアロゾルは
急速に薄まり感染に必要な濃度を保てない
と言う事が科学的事実としてありますので、
室内での多人数滞在≒空気感染リスク大
と言う訳ではありません。

本格的に空気感染を防ぐ場合には、
感染者を大気圧より低い気圧の部屋に入れる、
と言う事が医療施設では行われますが、
コストや手間がかかり過ぎますので、
一般施設で考える必要はありません。

感染性微生物に汚染されたところを
触った手で眼鼻口などの粘膜を触ることで、
接触伝播してしまう危険性はありますので、
粘膜を触る癖を意識的に抑える事や、
どこか触った後は
手洗いや手拭きを行う事を意識しましょう。

そして過敏に病原性微生物を避ける、
と言うよりも大切なのが、
1000種以上かつ体細胞数の約10倍の数が
いるとされる自身の常在菌の
種類や数を減らさない様にすること。

常在菌の種類が豊富で数が多いと、
外来微生物を排除する力も強くなり、
多少の外来微生物が来ても問題ないですが、
無闇に抗菌剤や殺菌剤を使うと、
常在菌の種類や数が減り、
外来微生物が増え発症しやすくなります。
コレは皮膚、粘膜全てに言えます。

また界面活性剤を使った洗浄を
こまめに行ってしまうと、
皮膚表面の皮脂が無くなり乾燥し、
ひどくなると肌荒れと炎症を起こして
病原微生物が増えやすくなりますので、
石鹸やハンドソープを用いた手洗いは
見た目に汚れがある場合などにとどめ、
それ以外は流水で洗うだけにしたり、
ウェットティッシュやおしぼりで拭く、
と言う感じにした方が良いですね。

職業上手洗いの頻度が多い場合には、
衛生的な使い捨て手袋を活用したり、
界面活性剤を用いた手洗い後には、
ワセリンやハンドクリームで保湿する、
と言うことも有効だったりします。

殺菌成分が入った洗口剤も、
口の中の常在菌環境を悪くするので、
使い過ぎに注意しましょう。
歯周病菌やむし歯菌を増やさない様に
食事内容に気をつけたり
唾液を増やす様な習慣をつける、
と言う方が本来やるべき事です。

改めてマスクについてと、
有効な感染対策について、
下記にまとめてみたので
復習がてらご確認頂けると幸いです。

【マスクの真実とは】
発症した人が外出する必要がある時に
適切に装着すれば良い物。
花粉症対策や顔隠しなどの目的は
個々の判断で適切な製品を使いましょう。

マスクの種類は、
・ウレタン製ファッションマスク
・布製マスク
・不織布マスク
・サージカルマスク
・N95マスク
などがあります。

ウレタン製ファッションマスクは、
感染予防効果はありませんが、
飛沫飛散はある程度は抑えられます。
また喘息の持病がある場合、
製造過程で残留した原材料により
症状が悪化する事が報告されていますので、
該当する人は利用しない方が良いですね。
継続して使い続ける事で不潔になり易いので、
こまめに洗濯する様にしましょう。

布製マスクは
花粉症症状の軽減効果や
装着している人から周囲への飛沫拡散を
ある程度防ぐ事が出来ます。
ウレタンマスク同様に
継続して使い続ける事で不潔になり易いので、
こまめに洗濯する様にしましょう。

不織布マスクや不織布フィルターを
内蔵した布マスクについては、
密着させられず隙間があると、
フィルター効果はかなり減りますので、
フィルター効果を過信しない様に。

サージカルマスクは、
不織布フィルターと表面の撥水加工が特徴の製品で
感染予防具としてではなく、
患者体液による汚染リスクのある
医療現場などでの
単回使い捨て利用が想定されています。

N95マスクは、
静電加工された高精度フィルターで、
空力学的質量径0.3μmの塩化ナトリウムを
95%以上捕集する事が確認された製品で、
微細な粉塵が飛散する作業現場などでの
単回使い捨て利用が想定されています。
適切に密着させないと効果がない事、
眼などの他の部位防護を併用すべきこと、
は意識しましょう。
湿気により静電加工が失われると
サージカルマスクとほぼ同等の効果しか
無くなるので注意が必要です。

医療資源が不足した状況下では、
サージカルマスクやN95マスクを
紫外線照射したり
洗浄後オートクレーブ消毒したりして
再利用していた医療介護施設もありましたが、
上記の様にN95マスクは洗浄消毒しても
静電加工を再び施さない限りは、
サージカルマスクと同等程度の効果しか
ありませんので理解した上で行いましょう。

発熱や咳などの症状がある場合は、
不織布マスク、サージカルマスクを
症状のある人が適切に装着する事が大切。
ひとりで部屋にいる時や、
周囲に誰もいない環境で散歩する場合などは
もちろんマスクをする必要はありません。

非感染者のマスク着用による感染予防効果は、
完全に否定は出来ませんが
眼鼻口の粘膜を直接触れない様にする、
口や鼻の中の乾燥を和らげる、
などの間接的な効果に限定されます。

使い捨てタイプは連日継続利用しない、
洗濯して再利用可能なタイプはこまめに洗う、
と言うことも大切です。

N95マスクは
空気感染リスクをある程度軽減しますが、
適切に装着するとかなり苦しいですので、
症状のある場合にはサージカルマスクを
着用する方が現実的です。

【本当に必要かつ有効な施策とは】
コレさえしっかりしておけば、
ほとんどの感染症対策は可能です。

・咳やくしゃみが止まらない場合はもちろん
なんらかの体調不良がある場合には、
外出や他人と対面する事はやめて
自主的に自宅内療養する。

・体調不良はあるがやむを得ず外出する場合、
周囲への飛沫拡散抑制の為に、
マスクを適切に装着し、
接触伝播対策として手指衛生を徹底する。

・咳や発熱など発症した人と
15分以上2m以内で接する必要がある場合、
飛沫拡散抑制の為に
発症者が適切なマスクを着用する。

・発症者の体液が接する人の粘膜に
飛散したり付着する可能性がある場合は、
マスクだけだと眼の粘膜から
感染するリスクがあるので、
使い捨て手袋、使い捨てマスク、
防護メガネ、使い捨てビニールエプロン
などを必要に応じて着用し防護する。
感染予防では無くあくまで飛沫飛散抑止。
(主に医療従事者や介護従事者)

・蓋付き洋式便器の利用後は、
トイレ個室内への飛沫拡散を防ぐ為に
蓋を閉めてから水を流す。
蓋は不衛生で触りたくないと言う
人もいるかとは思いますが、
開けたまま流すと背の高さ程度に
汚物混じりの微小飛沫が60分程度
トイレ個室内に滞留するという報告も。
蓋なし洋式便器の場合は、
座ったまま流すのが良いそうです。
お尻に飛沫つきますけどね。

・トイレ利用後や食事前には、
流水による15-30秒すすぎ、
せっけん水10秒揉み洗い15秒すすぎ
などの有効性が確認された手洗いや、
お絞りなどによる手指清拭などをした上で
皮膚表面を乾燥させる。

・ハンドドライヤーは微小飛沫を拡散させる、
と言うことも言われますが、
適切な手洗いをした後であれば問題なし。
適当に手を濡らしただけで使うのは危険。
機器表面に触れない様に使うことも大切です。

・個人で持ち歩くハンカチやハンドタオルは、
不潔になり易いのでこまめに乾燥させ、
帰宅したらこまめに洗濯しましょう。

・トイレは定期的に消毒清拭を行う。
不特定多数が利用するトイレは特に。
嘔吐下痢、発熱など症状がある場合は
利用後に可能な限り行う事が大切。
有機物(汚れ)を適切に除去した後に
適切な濃度の次亜塩素酸を使うのが理想的。

紫外線照射も有効ですが、
紫外線防護加工がされていない
樹脂製品を劣化させる可能性があるので
注意が必要です。

適切な濃度の消毒用アルコールで
柿渋液を15倍に薄めた物が、
多くの菌やウイルスに効果的と言う情報も。
「パストリーゼ77」などの
食品添加物成分だけの消毒剤や
エタノールと精製水のみで作られた
適切な濃度の消毒用アルコール、
食品添加物認定の柿渋を使うと
子供やペットのいる家庭でも安心ですし、
食材表面の処理にも使えます。

・室内に複数人が密集せざるを得ない場合、
参加者に発熱や体調不良がない事を確認し、
二酸化炭素濃度を目安に内外気換気する。

・発症者のいない室内集団や屋外での
全員マスク着用による効果は、
自分の眼鼻口の粘膜を触らないとか、
口や鼻の中の乾燥を和らげる事による
一定の間接的な効果は否定できない、
とは言われていますが、
感染予防効果は認められていません。

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