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【新型コロナウイルス感染症の正しい理解と対策】

【新型コロナウイルス感染症の正しい理解と対策】

by 宮崎 光史

こんにちは、Dr.Kです!

2019年末に中国湖北省武漢にて発生した
非定型肺炎の患者から検出された
新型コロナウイルス(2019-nCoV)。

重症肺炎を引き起こし死者も出ている
とのことで戦々恐々としてる方も
多いかと思います。

まずは正しい知識を持って
正しく対処しましょう。

まずウイルスとは何か知っていますか?
細かい話はイイや!と言う方は
対処法まで飛ばして下さって結構ですよ。

「細菌の一種」の様な認識をお持ちの方も
いらっしゃるかと思いますが、
細菌とウイルスには根本的な違いが
あるんです。

まず大きさが
細菌は長径2-4μm程度ですが、
ウイルスは0.1μm程度と
100-1000倍の違いがあります。

そして細菌は微生物の一種で、
適切な環境下にて独立して生きられます。
ところがウイルスは「独立して生きる」
と言うことが出来ません。
ですから厳密には「生物」としては
取り扱われません。

細菌は多細胞生物の細胞と同じ様に、
核があり中に遺伝子があり、
その周りに細胞質があり細胞膜が
表面にある構造をしています。
原核生物と言う種類は例外ですが。

ウイルスは遺伝子の周りに
カプシドと呼ばれる殻の様な構造を持ち、
種類によってはenvelopeと呼ばれる
膜構造を有することもあります。

細胞の核だけが抜け出た様な
イメージが近いかと思います。

通常地球上の生物の遺伝子は
・DNA(デオキシリボ核酸)
・RNA(リボ核酸)
の2種類の形で存在することが知られており、
DNAから必要な部分を転写し、
RNAと言う中継を経てアミノ酸を繋げて
必要な蛋白質を作り出しています。

ウイルスはDNAかRNAのどちらかしか
その構造内に存在していませんし、
転写や複製に必要な機能がありません。

ですから全てのウイルスは、
特定の生物の細胞に感染して
細胞内に自身の遺伝子を流し込み、
感染細胞の遺伝子転写機能を利用して
遺伝子、カプシドやenvelopeを
大量に複製して細胞外に放出される、
と言う増え方をします。

コロナウイルスはRNAウイルスの一分類です。
envelopeを有しておりそれが太陽のコロナの
様に見えることから命名されました。
この分類に含まれるウイルスは実は約30種が
知られていますが、ヒトに感染する種類として
風邪の10-15%の原因とされている4種
(HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1)
が知られています。

そして特殊な新種としては
今までに2種類が知られています。

2002年に発見されたSARS-CoV。
中国広東省を起源として
2002年11月から 2003年7月に流行し、
重症急性呼吸器症候群(SARS)を発症させ、
全世界で中国を中心として約8,000人が感染し、
774人が死亡した(死亡率約10%)とされます。
この際にはコウモリの一種が自然宿主とされ、
突然変異したモノがヒトへの感染力を獲得した、
と考えられています。

続いて
2012年に発見されたMERS-CoV。
ヒトコブラクダに風邪症状を引き起こす
ウイルスですが、ヒトに感染すると
重症肺炎を引き起こすとされています。

2013年5月に中東呼吸器症候群と言う病名から
MERSコロナウイルスという名前に決定。
英語では
Novel Coronavirus, SARS-like virus, NCoV,
HCoV-EMCなどと表現され、
2012年9月の報告から-2020年1月現在も
流行が続いています。

サウジアラビアで発生したと言われますが、
感染源や感染経路は全くわかっておらず、
有効な薬や治療方法は見つかっていません。
2019年までの報告では世界で
感染者244人、死者63人とされています。

そして今回2019年末に中国で報告され、
新種と確認されたのが問題の新型コロナウイルス。
数年以内に正式な名称が付けられるかと思います。


そしてコロナウイルスの特徴としては、
わずか6-7種のウイルスが、
鳥、豚、角のある大型家畜だけでなく、
人にも感染し健康に重大な影響を及ぼす
という事です。

そして感染性を獲得し人体に入った場合、
主に呼吸器系に深刻なダメージを与える
と言うのが大きな問題となっています。

コロナウイルス感染症の初期症状は、
主な特徴は無く普通の風邪やインフルエンザと
ほとんど変わりません。
しかし感染者の一部が極めて危険な形の
非定型肺炎き発展しはじめたことから、
ウイルス解析が為され新型と判明、
注目されているのです。

今回の感染は海産物の卸市場周囲から
初期の感染者が多発したことから、
感染源として市場で売られている
海洋哺乳類が疑われますが、
鶏、コウモリ、ウサギ、蛇も売られており、
どれが感染源かは特定されていません。

そして治療に当たった医療スタッフにも
集中して感染者が出ていることから、
ヒトからヒトへの感染能力があることが
強く疑われています。
動物から変異ウイルスがヒトに感染した場合、
ヒトからヒトへの感染能力が無いと言う
こともあるので大切なことなんです。

ただし感染経路は全く解明されておらず、
飛沫感染、空気感染、接触感染全てを
念頭に置いた対策が必要になります。

重症化してしまうリスクとしては、
・免疫低下
・肺の慢性疾患
・糖尿病や肝臓病などで免疫機能が弱っている
様な状況が考えられます。

そしてマスクの買い占めや高値転売も
起こっている様ですが、
そもそもマスクに
ウイルス感染症の予防効果はありません。
例えN95マスクであってもです。
(マスクのインフルエンザ予防効果
について書いたコチラの記事もご参照下さい。
https://www.miyazakikohji.com/effect-of-mask-to-prevent-influenza-infection/ )

感染者からの飛沫拡散や
環境中の微粒子吸入抑制、
と言う意味では効果はありますが、
「感染予防目的のマスク装着」は
無意味と言っても良いくらいです。

医療従事者のサージカルマスクは、
「血液やその他体液の飛沫が
粘膜に付着するリスクを抑える」
と言うことが主な目的です。

感染予防にマスクの適切な購入と着用を
促す情報も散見されますが、
科学的裏付けは全くありませんので
ご注意ください。

結局は風邪やインフルエンザへの予防法と
大きな違いは無いと言うことになりますが、
「適切な手指衛生」が大切かと思います。
水道水で15秒程度洗うだけでも十分。
目に見えた汚れがある場合は
泡立てた石鹸で時間をかけて洗いましょう。

そしてハンドドライヤーは賛否両論ありますが、
使うのであれば機械に触れない様にしながら、
ゆっくり手を動かして完全に乾かすこと。

ハンドドライヤーは
ウイルスを撒き散らしてしまうと言う
報告もあるので気になる方の場合は、
手を10回程度しっかり振った後に
ペーパータオルで適切に
水分を拭き取るのが大切です。
手を振り予め余分な水分を落とすことで
一枚のペーパータオルで済ませられる
と言うことが提唱されています。
(TED動画 日本語字幕選択可 https://youtu.be/SciUx65Q94U )

緑茶などでうがいをしたり
こまめに飲むことも、
茶カテキンによるウイルス不活効果が
あるとされていますが、
感染が起こるのは主に鼻腔粘膜ですから
効果は限定的かと思います。
インフルエンザ検査で喉に綿棒入れずに
鼻の奥に検査用綿棒を入れますよね?

鼻うがいの習慣化は良いかと思いますが、
頻繁にしなければ完璧な対策は難しい。

・アルコール製剤
・次亜塩素酸製剤
などによる施設や家のドアノブや
トイレなどの清拭も
ある程度有効かと思いますが、
柿渋の広範囲のウイルス不活化効果は
是非とも活用したいですね。
(製品例 http://www.altan.co.jp/lineup/noroace77.html )

そして一番大切なのは、
十分な栄養と睡眠や休養を取り、
免疫力を維持強化するとともに、
喉や鼻の粘膜の乾燥を防いで、
物理的な感染対応能力を下げないこと。

冬季の室内気の加湿は粘膜の乾燥軽減と言う
目的においては有効かと思います。

「鼻や喉の湿度を保つ」と言う意味では
マスクも有効ですが、
不適切な着用をして
顎に引っ掛けたり鼻を出したりしてたら
全く意味が無いですし、
頻繁に触ったり再利用していると不潔になり
逆に感染症の媒介をしてしまうことに
なりかねないのでご注意下さい。

結局のところは
「風邪の様な呼吸器感染症対策」
の基本をしっかりやることが一番、
と言うことですね。

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