【関節に継続した負荷を続ける運動は健康に悪いか】

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。

ウォーキング、ランニング、
テニスなどのスポーツは、
長時間同じフォームで運動し、
同じ関節に継続した負荷を
与え続けます。

そのことで膝や腰を傷めてしまい、
その後の日常生活に支障を来たす
ことになるアスリートも少なくない
と言うのが現状です。

最近までは、
関節の軟骨は摩耗してしまうと
二度と回復することは無いとして、
膝などを傷めた後で運動をやめても
症状が改善しないと言うことで、
無理に運動させない指導や
人工関節置換と言う治療が
当たり前の様に行われてきました。

しかし最新の研究によると、
一概にそうとも言えないことが
分かってきています。
興味深い記事を見つけたので
シェアしますね。
https://courrier.jp/cj/270187/?utm_source=smartnews&utm_medium=related&utm_campaign=270187

詳細は上記リンクを見て頂けたら、
原著論文へのリンクなどもありますが、
簡単に内容を紹介しながら、
コメントしてみたいと思います。

軟骨組織には
血液や神経が通っていないため、
適応や自己修復はできず
摩耗すると元に戻らないと言うのが
医学や生理学における通説でしたが、
膝などの関節の軟骨にリズミカルに
圧迫解除する刺激を加えることで、
老廃物を排出したり、
栄養と酸素を含んだ新鮮な関節液を
取り込むことが出来、
刺激に対して適応強化したり
修復することが分かって来ました。

つまり軟骨は従来の通説の様に
年齢とともに摩耗して消耗される
不活性の衝撃吸収材ではなく、
定期的に使うことで適応し成長する
生きた組織であることが
分かったと言うことです。

膝に問題が出始めると、
水泳やサイクリングの様な
関節に負担の少ない運動に切り替える
ことが多く行われていますが、
軟骨への刺激を減らして衰えさせる行為で
関節の回復には逆効果だった、
とも言えると言うことですね。

では傷めた後も無理に刺激し続けた方が
良いのかと言うとそれもまた違います。

カリフォルニア大学デービス校の
生理学者キース•バール氏によれば、
軟骨の細胞は約10分間の運動に対して
活性化しますがそれ以上の運動は
組織にストレスやダメージが
蓄積するだけで、
適応効果の上昇は見込めないと
言うことです。

傷めた関節の回復や強化の為には
完全休養したり
負荷をかけない水泳やサイクリング
をすることではなく、
1回10分程度の無理ない範囲での
ウォーキングやランニングなどの
活動を続けて行うことが大切
と言うことですね。

「膝の痛みを感じたら
すぐに運動をやめ安静にして負荷を避ける」
という既存の固定概念は正しくなく、
活動的な生活を続けながら
関節周りの筋肉をより強化し、
正しい動作パターンを身につけることで、
膝関節の衰え方に変化が生じ、
場合によっては回復する可能性もある
という事です

新たにスポーツをしたり、
季節が限られたスポーツのシーズン前には
事前に軽い運動を一定期間続けることで
軟骨や靭帯に負荷をかけ耐久力を高め、
故障予防に有効な可能性があります。

アスリートやスポーツ愛好家にとっては、
関節や靭帯の耐久性を高めることは、
より良いプレーや故障予防に必須ですが、
将来的な関節の健康を守るために
この様な膝軟骨への適度な負荷を
10分程度意識して行うことは
最期まで動ける人生を目指す一般人にも
とても意義あることかと思います。

上記のリンク記事で勧められているのは、
椅子から立ち上がるような日常動作で、
より質の高い動作パターンを心がける
ということです。

具体的に言えば、
両手を使わず足だけで立ち上がり、
脚を真っ直ぐにして立った時
くるぶし-膝-股関節が重力線に沿って
まっすぐになっているかを
意識してみる事です。

階段を上がったり、
便座に腰を下ろしたりする際にも
関節の位置に意識を向けてみる。

もし関節の位置を
まっすぐに揃えられないなら、
足や腰の筋肉を鍛える必要がある
サインだという事です。

他にも簡単な動作を左右差や
曲げ伸ばしによるやり易さの違いを
意識して毎日軽く行ってみるのも良いです。

上体の前後屈、左右側屈、左右捻転、
両腕の上げ下げ、脚の屈伸を
ゆっくり呼吸に合わせて
10-20回ずつ毎朝行いながら、
左右どちらかに違和感が無いか、
曲げ伸ばしや捻りは
左右或いは伸曲どちらがやりやすいか、
感じてみてください。

やりやすい方向や曲げ伸ばしを
2-3回多めにする事で、
少しずつ体の歪みも取れてきます。
やりにくいや可動域の狭い方
では無いのでご注意下さい。

自分の身体が発する声を
感じられる様になると、
無理ない身体の使い方が
自然と出来る様になります。

またグルコサミンやコンドロイチンなどの
関節サプリメントの効果には
質の高いエビデンスは無いですが、
特別な害も報告されていませんので、
興味があれば試してみても
悪くは無いとは思います。

コラーゲン摂取も
アミノ酸補給という意味では
軟骨形成に一定の効果がありますが、
十分な蛋白質摂取が出来ていれば、
敢えてコラーゲンを摂取しなくても
大丈夫です。

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